黒田高政 (東蓮寺藩主)

黒田高政は、慶長17年（1612年）に福岡城で、福岡藩初代藩主・黒田長政と母・栄姫の四男として生を受けました。黒田家では、「たか」と読む通字に「高」と「隆」の二種類があり、隆政と表記されることもあります。「高」の字は祖父・黒田孝高（官兵衛）から一字を取ったものと考えられています。

元和9年（1623年）、父・長政の死後、遺言により兄である二代藩主・黒田忠之から4万石を分与され、東蓮寺藩を立藩し、初代藩主となりました。同時に、市正、薩摩守に叙任されています。

寛永14年（1637年）には、島原の乱に参陣し、武功を挙げました。しかし、寛永16年（1639年）11月13日、桜田の江戸藩邸にて28歳という若さで死去しました。跡継ぎとなる嗣子がいなかったため、兄・忠之の次男である之勝が家督を継ぎました。

高政は、直方山部に東蓮寺藩主の菩提寺である臨済宗雲心寺を建立し、開基しました。開山には、帰依していた大徳寺の江月宗玩を迎えました。高政は宗玩と非常に親しく、その交流を示す書状が各地に残されています。また、京都大徳寺龍光院には、宗玩のために庵を建立したと伝えられています。

高政が所用した甲冑および父・長政の写しである兜「一の谷形兜」は、現在、東京国立博物館に所蔵されており、その武将としての側面を今に伝えています。

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