黒門川

黒門川の概要

黒門川（くろもんがわ）は、福岡市中央区の大濠公園に位置する大濠池から流れ出し、菰川の河口付近で合流して博多湾へと注ぐ川です。この川は地区の重要な水路として知られています。

地理

この河川はもともと大濠池の排水路として整備されてきましたが、1988年から一部を除き大部分が暗渠となりました。大濠池の北端から明治通りまでは開渠として北に流れており、明治通り以北では唐人町と荒戸の間を流れるために暗渠が設けられています。この道路は伊崎に近づくところで再び開渠になり、約150メートルにわたって湾曲しながら流れ、その後は再び暗渠となって道路の下を流れます。特に、黒門橋交差点から福浜団地入口交差点の区間は、1989年に福岡市の市制施行100周年を記念して「黒門川通り」と名付けられているのが特徴です。

福浜団地入口交差点付近からは、黒門川が南西方向に流れ、福岡市道港福浜線の下を通りながら菰川の近くで合流し、最終的には博多湾に達します。この道路のうち、福浜団地入口交差点西側の区間も1989年に「よかトピア通り」として名付けられました。

語源

「黒門川」という名前の由来は、福岡城に存在した門の名前、すなわち呉門に関連しています。このことから、川の名前には歴史的な意味合いがあることが伺えます。

歴史

江戸時代において、黒門川は福岡城の外堀としての役割を果たし、博多湾と大濠池を繋ぐ重要な水路でした。1927年から1929年にかけて、大濠池とその周辺が公園として整備される際に、東側に存在した堀が埋め立てられ、結果として大濠池に流入する川がなくなりました。これにより、黒門川は唯一の川となり、大濠池への海水の流入が続くこととなりました。しかし、1970年頃には黒門堰によって海との接続が遮断され、池に供給される水は雨水のみを頼ることになり、水質の悪化を招いてしまいました。その後、水質改善のための事業が進められ、1991年に池水浄化施設が完成しました。

河川施設

黒門川には、水位を調整するための水門や浄化施設が設けられ、大濠公園内での水の循環を助けています。これによって、公園の水環境が保たれるように工夫されています。

名所・旧跡

黒門川の海際には、かつて福岡城の外堀の一部として魚を捕るための簗所（やなしょ）が存在しました。江戸時代中頃には唯一の簗所として、専用の簗奉行が設けられ、漁を行っていました。また、この簗所は、敵が海から堀を通じて侵入するのを防ぐための防衛機能も持っていました。現在、黒門川の川岸には「簗所跡」の説明板が立てられており、訪れる人々にその歴史を教えています。

このように、黒門川は福岡市の歴史や文化に深く根差した存在であり、地域の重要な水路としての役割を果たし続けています。

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