龍反町

龍 反町

龍 反町（りゅう そりまち）は、本名・反町 則雄（そりまち のりお）、1947年10月8日に東京都大田区で生まれた日本の元プロボクサーである。野口ボクシングジムに所属し、現役時代は日本ウェルター級王座、そしてOBF東洋ウェルター級王座を獲得した実績を持つ。そのキャリアを通じて、国内外の強豪と拳を交え、複数階級で世界の頂点を目指した。

経歴

龍反町のプロキャリアは1965年6月20日に始まった。デビュー戦の相手は中村興治であったが、この試合を判定で落とし、ほろ苦いスタートとなった。しかし、彼は着実に経験を積み、国内での評価を高めていった。

1969年1月6日、窪倉和嘉との一戦で、彼はついに日本のウェルター級王座を獲得した。このタイトルは、その後4度にわたって防衛を重ね、国内のこの階級における第一人者としての地位を確立した。その間、世界ランク入りを目指し、1970年7月25日にはアメリカの強豪アドルフ・プルートと対戦したが、無念にも2回KO負けを喫している。

日本王座在位中の1970年10月28日、彼はOBF（東洋ボクシング連盟）東洋ウェルター級王座にも挑戦し、任炳模から9回KOで勝利を収め、見事二冠を達成した。東洋タイトル獲得から間もない1970年12月22日には、保持していた日本王座を返上し、活動の主軸を東洋圏および世界へと移していくこととなる。

OBF東洋王座は、その後11度もの防衛に成功し、その強さを長く証明し続けた。その粘り強さとタフネスは、多くのファンを魅了した。東洋王座を保持しながら、彼はさらに上のレベル、すなわち世界王座への挑戦を試みた。

最初の世界挑戦は、1973年4月20日に行われた。相手は当時のジュニアミドル級世界王者であった輪島功一。普段より一階級上のリングで、龍反町は果敢に挑んだが、15ラウンドを戦い抜いた末に判定で敗れ、世界のベルトには手が届かなかった。翌1974年10月8日には、同じくジュニアミドル級の世界王座（オスカー・アルバラードが保持）に再び挑む機会を得たが、この試合も7回KO負けという結果に終わった。

そして、彼のキャリアにおける最も特筆すべき一戦は、1978年2月11日に行われたWBC世界ウェルター級王座への挑戦だろう。相手は強豪カルロス・パロミノ。この試合は、ボクシングの聖地とも言われるラスベガスのヒルトンホテルで開催された。龍反町は、この歴史的な舞台で世界タイトルマッチを戦った初めての日本人ボクサーとなった。結果は7回KO負けではあったが、そのフロンティアスピリットは日本のボクシング史に刻まれている。

OBF東洋王座を11度防衛していた龍反町であったが、1979年3月26日、李萬徳との防衛戦で6回KO負けを喫し、王座を失った。この試合が現役最後のリングとなり、長きにわたるプロボクサーとしてのキャリアに幕を閉じた。

戦績

プロボクサーとしての生涯戦績は73戦に及び、57勝（うち31KO）12敗4分の記録を残している。特に31のKO勝利は、彼のパンチ力の証明と言える。

その他

俳優として活躍する反町隆史の芸名は、龍反町のリングネームに由来するとされている。

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