野口ボクシングジム

野口ボクシングジム

東京都足立区、北千住駅のほど近くにその拠点を置く、プロフェッショナルなボクシングジムです。1950年、かつて日本チャンピオンとして活躍したライオン野口氏によって設立され、長い歴史の歩みを始めました。現在は、創設者の孫にあたる野口まさる氏が3代目会長としてジムの運営を引き継いでいます。

これまでに世界チャンピオンを輩出するまでには至っていませんが、日本のボクシング界において重要な役割を果たしており、多くの優れた人材を育成してきました。

歴史

野口ボクシングジムの歩みは以下の通りです。

1950年：創立者であるライオン野口氏が、東京都目黒区下目黒、目黒雅叙園前にジムを設立。
1961年：創立者のライオン野口氏が逝去。ジム経営は夫人の野口里野氏が引き継ぎました。
1972年：ライオン野口氏の次男にあたる野口恭氏が、ジムの2代目会長に就任しました。
1995年：活動拠点を現在の東京都足立区北千住へと移転。
* 2000年：2代目会長である野口恭氏の長男、野口まさる氏（※入力情報に「勝」と「まさる」の記述があるが、公式サイト等での確認が難しいため「まさる」で統一して記述します）が、ジムの3代目会長に就任し、現在に至ります。

ジムの特色と功績

多様な人材の育成

当ジムは、その長い歴史の中で数多くのプロボクサーを育成してきました。これまでに野口ジムで研鑽を積んだ主な選手には、龍反町氏、イーグル佐藤氏、柏葉守人氏、吉野弘幸氏、鈴木誠氏などがいます。また、他のジムから移籍後、OPBF東洋太平洋ウェルター級およびスーパーウェルター級の二階級でチャンピオンとなった飛天かずひこ氏も、このジムで練習を重ねました。

日本ボクシング界の発展に貢献

野口ボクシングジムは、単に選手を育成するだけでなく、日本のプロボクシング界の発展に寄与した指導者も輩出しています。例えば、後に数多くの世界王者を育て、「金太郎」の異名で知られた協栄ボクシングジムの創設者、金平正紀氏や、名門・三迫ボクシングジムの初代会長である三迫仁志氏は、それぞれ現役選手時代にこの野口ジムに所属し、経験を積みました。このジムでの経験が、彼らの後の偉業につながったと言えるでしょう。

キックボクシング黎明期との関わり

創立者ライオン野口氏の長男である野口修氏は、明治大学を卒業後、日本ボクシングコミッションのレフェリー見習いや、帝拳プロモーションでの修行などを通じてボクシング界に携わりました。その経験をもとに、彼は自ら創始者としてキックボクシングという新しい格闘技分野を確立しました。野口修氏が設立したキックボクシングのトレーニング拠点「目黒ジム」からは、後の国民的スーパースターである沢村忠氏が誕生しています。このように、野口ボクシングジムの血統は、日本のボクシングだけでなく、キックボクシングの歴史にも深く関わっています。

将来を担うジュニア育成

若い世代へのボクシング普及と育成にも力を入れており、1957年からは小学生・中学生を対象とした「ベビーボクシング」という独自のプログラムを提供しています。このプログラムからは、後にプロボクシングの世界で活躍した西城正三氏も、小学生時代に指導を受けました。ベビーボクシングは1964年以降、一時的に中断されていましたが、現在は再び毎週土曜日の午後に開講されており、未来のボクサー育成に取り組んでいます。

長い歴史と豊かな伝統を誇る野口ボクシングジムは、多くの優れたプロ選手や指導者を輩出し、日本の格闘技界に影響を与えてきました。これからも、ボクシングの魅力を伝え、多くの人々に夢と感動を与え続けていくことでしょう。

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