龍徳寺 (小樽市)

龍徳寺（りゅうとくじ）

北海道小樽市に位置する海雲山龍徳寺は、曹洞宗に属する寺院です。

沿革

当寺院の創建は江戸時代末期の安政4年（1857年）に遡ります。当初は後志国小樽郡、現在の小樽市信香町にてその歴史を歩み始めました。その後、小樽市若松を経て、明治7年（1874年）に現在の所在地である真栄へと移転し、今日に至っています。度重なる移転を経てなお、その創建時の精神と歴史を伝えています。

本堂と境内

龍徳寺の本堂は、小樽市内に現存する寺院本堂の中で最も古い建造物として知られています。創建当時の姿がほぼ完全に保たれており、往時の建築様式や雰囲気を今に伝える貴重な存在です。この歴史的価値が認められ、小樽市指定の歴史的建造物にも指定されています。そのため、信仰の場としてだけでなく、多くの歴史愛好家や観光客が訪れ、その厳かな佇まいに触れています。境内に立つ一本のイチョウの木もまた、長い年月を経て育まれた証として小樽市指定の保存樹木となっており、四季折々の美しい姿で訪れる人々を和ませています。

日本一の巨大木魚

龍徳寺の本堂には、昭和8年（1933年）に寄贈された巨大な木魚が安置されており、当寺院の大きな見どころの一つとなっています。この木魚は、九州産のクスノキから彫り出されたもので、その大きさが特筆されます。直径は1.35メートル、高さは1メートル、そして重さは330キログラムにも及びます。その規模から「日本一」と称されていますが、大きさ自体で言えば同程度のものも存在します。しかし、この木魚が日本一とされる所以は、継ぎ目のない一本の木から彫り出された「一本彫り」である点にあります。このように巨大な木魚を一本の木から作り上げることは非常に稀であり、その技術と素材の大きさから日本最大級と位置づけられています。制作にかかった費用は約千円であったと伝えられていますが、これは寄贈当時の昭和初期においては家一軒が建てられるほどの非常に高額な費用であり、その価値の大きさを物語っています。

交通アクセス

龍徳寺へのアクセスは、公共交通機関を利用するのが便利です。JR函館本線の南小樽駅から徒歩でおよそ14分程度です。また、北海道中央バス（おたもい営業所または真栄営業所運行）を利用する場合は、「龍徳寺前」バス停で下車するとすぐです。

歴史ある本堂と、その圧倒的な存在感を放つ巨大木魚は、小樽を訪れた際にぜひ一度見ておきたい見どころと言えるでしょう。

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