龍正院

龍正院は、千葉県成田市滑川に位置する天台宗の寺院で、山号を滑河山と称します。本尊は十一面観世音菩薩で、坂東三十三観音霊場の28番札所として、多くの参拝者を集めています。一般には滑河観音（なめかわかんのん）の名で親しまれています。

歴史

龍正院の創建は、承和5年（838年）に遡ります。滑河城主であった小田将治が発願し、慈覚大師円仁によって開山されたと伝えられています。本尊の十一面観世音菩薩像の体内には、1寸2分の観音像が納められており、これは小田将治が出会った老僧が小田川から救い上げたものとされています。この像は、龍正院の歴史と信仰の中心となっています。

伽藍

龍正院の伽藍は、歴史と文化が色濃く残る建造物で構成されています。

観音堂: 入母屋造の美しい建物で、元禄9年（1696年）に江戸幕府5代将軍徳川綱吉の寄進によって再建されました。その歴史的価値から、千葉県指定有形文化財に指定されています。観音堂は、龍正院の信仰の中心であり、多くの参拝者が訪れます。
仁王門: 文亀年間（1501年 - 1504年）に再建されたもので、室町時代後期の建築様式を今に伝える貴重な遺構です。国の重要文化財に指定されており、その歴史的、文化的な価値は非常に高いと評価されています。

文化財

龍正院には、多くの文化財が所蔵されており、その歴史と文化の深さを物語っています。

重要文化財（国指定）
仁王門：室町時代後期（1504年頃）の建立。三間一戸八脚門、寄棟造、茅葺き。大正5年（1916年）に重要文化財に指定されました。
千葉県指定有形文化財
観音堂：江戸時代初期に再建された入母屋造の建物で、龍正院の信仰の中心です。
鋳銅鰐口：寺院で使用される鰐口で、その歴史と美術的価値から文化財に指定されています。
銅造宝篋印塔 附:銅造棟札1枚：宝篋印塔と棟札で、龍正院の歴史と文化を物語る貴重な資料です。

所在地

千葉県成田市滑川1196

交通

鉄道：JR成田線滑河駅から徒歩約20分。
バス：成田線滑河駅・久住駅または京成成田駅東口から成田市コミュニティバス（水掛ルート）に乗車し、「滑河観音前」で下車。

坂東三十三観音霊場

龍正院は、坂東三十三観音霊場の28番札所であり、前後の札所は以下の通りです。
27番 円福寺 (銚子市)
28番 龍正院
29番 千葉寺

外部リンク

天台宗 滑河山 龍正院
* 坂東札所会

龍正院は、その歴史と文化、そして美しい自然に囲まれた場所として、多くの人々に愛されています。訪れる際には、これらの情報を参考に、その魅力を深く感じていただければ幸いです。

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