龍眠寺

龍眠寺 (りゅうみんじ) の概要

静岡県掛川市に位置する龍眠寺は、仏教寺院であり、曹洞宗に属します。山号は平等山と呼ばれ、またの名を安穏山とも言われています。この寺院は、室町時代に今川義元によって建立されたと伝えられています。最初の創立は1496年（明応5年）で、当初は樹木ヶ谷に位置していました。ここでは、大樹宗光師が初めて道場を開いた場所とされています。

歴史の流れ

龍眠寺は、天正2年（1574年）に始まった高天神城の戦いの折、当時の領主から寺社や住民が遠くへ避難するよう命じられました。その結果、多くの人々は信州に避難し、合戦が収束した後に戻ってきましたが、寺院は甚大な損害を受けていました。しかし、その後松下助左エ門の寄進により、寺院の再建が実現しました。

寺院はその後、横須賀城6代城主松平忠次の指令で、樹木ヶ谷から現在の西大谷入口へ移築されました。この移動に際して、かつての門前にあった十王堂が管理され続け、後に大谷町へ移されたものの、1880年（明治5年）には廃堂の命令が下り、現在は本堂に合祀されています。

また、龍眠寺は1682年（天和2年）以降、横須賀城主の西尾家の菩提寺となり、歴代の墓碑もここに存在します。さらに、本堂は1639年（寛永16年）に一度火事で失われましたが、1641年（寛永18年）に9代刹山禅和尚の手によって再建され、現在もその姿を保っています。

境内の主な堂宇

龍眠寺の境内には、いくつかの重要な堂宇が存在します。まず、荒神堂には三室大荒神の木像が本尊として祀られています。また、鎮守堂には竜天善神の木像があり、これは大樹和尚が無難のために勧請したもので、火盗からの守護神でもあります。三つ目は弁天堂で、本尊は弁財天の木像です。弁天堂もまた、1640年（寛永17年）に刹山和尚によって勧請されました。

文化財と自然

龍眠寺は掛川市の指定史跡にも指定されています。特に、西尾氏の墓塔は重要な文化財として地域に残っています。また、掛川市指定の天然記念物として有名な如意庵のソテツも、訪れる人々に親しまれています。これらの文化財や自然は、龍眠寺の歴史的背景を物語る重要な要素となっています。

まとめ

龍眠寺は、その深い歴史や文化財を有するだけでなく、静岡県掛川市においても重要な位置を占める寺院です。その静かな境内は、訪れる人々に過去の重みを感じさせ、精神的な安らぎを提供しています。さらに、寺の周囲に広がる自然とも相まって、訪れる者の心を癒しています。歴史的背景を学び、心を落ち着けるために、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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