007/ダイヤモンドは永遠に (映画)

『007/ダイヤモンドは永遠に』

『007/ダイヤモンドは永遠に』（原題：Diamonds Are Forever）は、1971年に公開されたスパイアクション映画であり、ガイ・ハミルトンが監督を務めました。これは、イアン・フレミングの同名小説を基にした「ジェームズ・ボンド」シリーズの第7作目となります。特筆すべきは、ショーン・コネリーがボンド役に復帰した点で、彼が最後に演じたボンドとしても知られています。この作品は、彼の復帰にあたり驚異的な出演料が提示されましたが、コネリーはその全額をスコットランド国際教育基金に寄付しました。また、製作側との契約条件には、興行収入の10%を受け取ることや、特定の作品製作費の提供が含まれていました。

前作『女王陛下の007』が原作に忠実な作品であったのに対し、今作はアルバート・R・ブロッコリが主導する中で娯楽性を重視したストーリー展開となっています。映画内には、ゲイの殺し屋が登場する原作の要素が取り入れられている一方で、カンフー的なコントのような描写が随所に見られ、ボンドのキャラクターもより挑発的で軽妙なものとなっています。このようなコメディタッチは、次なるボンド役のロジャー・ムーアへの道を開く結果となりました。

本作のプロットは、ボンドが宿敵ブロフェルドを追い詰めるところから始まります。彼は日本やカイロを経由してブロフェルドを捕え、最終的には影武者もろとも消滅させる任務を遂行します。Mから任命されたボンドは、南アフリカから不正に流失した大量のダイヤモンドを探し回ります。アムステルダムに向かったボンドは、ダイヤの運び屋を装い、魅惑的な女性ティファニー・ケイスと接触しますが、本物の運び屋が現れたため、彼を抹殺し、自らの身分証を経て逃亡を図ります。

本作では、アクションシーンも新たな試みが取り入れられています。狭いエレベーターでの殴り合いや駐車場でのカーチェイスなど、迫力満点の展開が続きます。しかし、一部ではマンネリや説明不足といった意見もあり、全体的な評価は低めとなりました。それでも本作は、当時の映画界に旋風を巻き起こし、世界興行成績では1971年に第1位を記録しました。米国内でも高い興行成績を上げ、日本での評価も『ゴッドファーザー』に次ぐ第2位となりました。

さらに、主題歌はシャーリー・バッシーによるもので、彼女の独特な歌声が印象的です。曲名も同じ「ダイヤモンドは永遠に」となっており、イギリスの音楽ランキングでも高評価を得ました。この作品が持つ独特のスタイルとコメディ要素が、後のボンド作品に継承される土台を築きました。

結論として、『007/ダイヤモンドは永遠に』は、コメディとアクションが融合した新たな視点を持つ作品として、007シリーズの中でも特に印象深い一作と言えます。

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