アルバート・R・ブロッコリ

アルバート・R・ブロッコリについて

アルバート・R・ブロッコリ（本名: Albert Romolo Broccoli、1909年4月5日 - 1996年6月27日）は、アメリカの映画プロデューサーとして名を馳せた人物です。彼は特に007シリーズの映画プロデューサーとして知られており、そのキャリアは長く、多岐にわたる作品を世に送り出しました。彼自身はニューヨーク州ニューヨークで生まれ、イタリア系の家庭に育ちました。

生い立ちとキャリアの始まり

ブロッコリはロングアイランドでイタリア系の家族に生まれた後、父の死を受けてクイーンズ区の祖母の元に移ることになります。彼の映画界への道のりは、1941年、ハワード・ヒューズ監督の『ならず者』の下働きから始まりました。そこから彼の映画業界でのキャリアがスタートし、第二次世界大戦にはアメリカ海軍として従軍しました。戦後、映画界に戻ると、エージェントとしての仕事を経て、アーヴィン・アレンと共に独立系制作会社ウォーリック・フィルムズを立ち上げました。

彼はコロンビアピクチャーズと共に、アラン・ラッド主演の冒険映画『赤いテント』や『零下の地獄』などを制作し、徐々にその名を広めていきました。

007シリーズへの貢献

1961年、彼はハリー・サルツマンと共にイーオン・プロダクションズを設立。これにより、イアン・フレミングの007シリーズの映画化権を持つサルツマンとタッグを組み、007映画の制作が本格化しました。最初の作品である『007/ドクター・ノオ』（1962）は大成功を収め、その後も『007/ロシアより愛をこめて』（1963）、『007/ゴールドフィンガー』（1964）など、数多くの続編を手がけました。

彼のプロデュースによる007シリーズは、世界的に有名なスパイ映画のシリーズへと成長し、彼は生涯にわたってこのシリーズに関与。1977年以降はマイケル・G・ウィルソンとの共同制作となり、映画の質を維持し、観客に愛され続けました。

功績と評価

1977年、ブロッコリはロンドンからビバリーヒルズに移住しました。そして1981年には、映画業界への長年の貢献が評価され、アービング・G・タルバーグ賞を受賞。晩年には映画プロデュースから引退し、プロデューサーの役割をウィルソンと娘のバーバラ・ブロッコリに譲りました。彼の名は007シリーズに色濃く残り、逝去後の作品『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』のエンディングには、彼への追悼が記されています。

印象的なエピソード

ブロッコリにまつわる興味深いエピソードとして、映画『007は二度死ぬ』の撮影後に帰国予定であった便が空中分解事故を起こしたという出来事があります。彼や同行者が搭乗をキャンセルしたために生き残ったことは、「これが二度目の命だ」と言われるほど、運命を感じさせる出来事でした。

個人的な背景

興味深いことに、ブロッコリの伯父であるパスクァーレ・デ・チッコは、ブロッコリの名前の由来となった食材、ブロッコリをリトアニアからアメリカに持ち込んだ人物でもあります。このように、彼の名前は映画界にとどまらず、食文化にも影響を与えています。

彼のプロデューサーとしてのキャリアは映画界に多大な影響を与え、今なお多くの映画ファンに愛され続けている彼の功績は、永遠に記憶に残ることでしょう。

もう一度検索