06式小銃てき弾

06式小銃てき弾について

06式小銃てき弾（まるろくしきしょうじゅうてきだん）は、陸上自衛隊が使用している22mmの国産小銃擲弾です。この擲弾は、ダイキン工業が製造しており、89式5.56mm小銃や64式7.62mm小銃に取り付けて使用します。06式小銃てき弾は、銃口に装着すると、銃口から突き出している形状をしています。

この擲弾は、特別な薬筒を必要とせず、通常の小銃弾（実弾）を使用して発射されます。発射メカニズムは、弾丸トラップと分離飛翔方式を組み合わせており、これにより小銃弾の発射時に弾丸がトラップ部と擲弾本体の2つに分かれ、飛散物を後方に飛ばさずに済むような仕組みが採用されています。これにより、射手の安全性も確保されています。

射撃時には、小銃に取り付ける照準具を使用します。06式小銃てき弾用照準具には、64式小銃用のI型、89式小銃用のII型、さらに擲弾自体に取り付ける簡易照準具があります。また、この擲弾は、着発時に作動しない場合に備えた自爆機能を搭載しています。

06式小銃てき弾は、2002年から開発が始まり、2006年に制式化されました。開発の過程では、フランスのHEAT-APERS-FRAGを取り寄せて研究も行ったものの、安全性の懸念があったため採用には至りませんでした。この擲弾の性能に関する詳細は公開されていませんが、小型の成形炸薬弾および調整破片による多目的弾頭として設計されています。

06式小銃てき弾は、手榴弾投擲や迫撃砲の射程の間を埋める地域制圧火力として位置づけられています。射程は、従来のM31対戦車小銃てき弾の約90%向上し、フランス製のAPAV40の80%程度になるとされています。また、多くの資料では、射程は200m以上、最大射程は400mと推測されています。

過去には、陸上自衛隊がM203擲弾発射筒の評価試験を行いましたが、採用には至りませんでした。その理由は公開されていませんが、擲弾装置を搭載することで照準特性が変わることや、発射者の安全確保などの理由が考えられます。

06式小銃てき弾は、一般部隊への配備はされていないものの、特殊作戦群などで使用される可能性があります。また、同じようにアドオン式グレネードランチャーの使用をためらう国々がいくつかあり、フランス軍もその一つです。

登場作品

この擲弾は、様々な作品に登場しています。たとえば、漫画『怪獣自衛隊』では怪獣に対して使用され、また『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』では、生存者を救出するために使用されるシーンがあります。小説『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』や『日本国召喚』などにおいても、陸上自衛隊の装備の一つとして描かれています。これらの作品を通じて、06式小銃てき弾の存在感が際立っています。

まとめ

06式小銃てき弾は、陸上自衛隊において重要な役割を果たす国産の小銃擲弾です。その特徴的なデザインや発射メカニズム、実戦での使用方法が、多くの作品やシミュレーションで描かれており、日本の自衛隊における火力の進化を象徴しています。同擲弾のさらなる発展と使用法の研究が期待されています。

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