07式垂直発射魚雷投射ロケット

07式垂直発射魚雷投射ロケットの概要

07式垂直発射魚雷投射ロケットは、海上自衛隊が運用する先端的な対潜ミサイルシステムです。この兵器は、護衛艦から遠距離にいる潜水艦に対して効果的に攻撃を行うために設計されています。2007年に正式に制式化されたこのミサイルは、海中の敵潜水艦を発見し、迅速に攻撃する能力を持っています。

仕組みと構造

このミサイルは、ブースター部と弾頭部が一体化した構造を持っており、飛行中は安定翼が高い飛行安定性を保つ役割を果たしています。発射後、初期の旋回動作を経て、推力制御装置が分離され、超音速での飛行が始まります。そして、前部の弾体が切り離された後、パラシュートによって減速し、魚雷が露出します。着水後、魚雷はパラシュートを切り離し、標的となる潜水艦へ向かって進む仕組みになっています。具体的に使用される魚雷は97式または12式魚雷で、効果的な攻撃を実現しています。

開発の経緯

07式垂直発射魚雷投射ロケットの開発は、1999年度に始まり、当初は「新アスロック」という名称で進められました。このプロジェクトの目標は、従来型のアスロック対潜ミサイルよりも即応性や飛翔速度、さらには射程距離の向上を図ることでした。運用試験は、試験艦「あすか」に搭載された垂直発射システム（VLS）を用いて行われました。

試験は当初2005年度に終了予定でしたが、超音速飛行からの減速過程での技術的課題により延長されました。技術的な問題が解決された後、開発は2007年度中に完了し、その後、あきづき型護衛艦の2番艦「てるづき」が2013年に就役した際に、これが初めての搭載艦となりました。

装備されている艦艇

07式垂直発射魚雷投射ロケットは、あきづき型護衛艦（2番艦以降）、あさひ型護衛艦、まや型護衛艦など、複数の艦艇に搭載されています。これにより、海上自衛隊は潜水艦に対する防御力を大幅に向上させることに成功しています。

結論

海上自衛隊における07式垂直発射魚雷投射ロケットは、近代的な対潜水艦攻撃手段としての役割を果たし、国防に貢献する重要な武器の一つです。これにより、日本の海洋防衛力はより強化され、急速に変化する海洋環境においても対応力を保持しています。

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