10 cm NbW 35

ネーベルヴェルファー 35についての詳細

ネーベルヴェルファー 35（Nebelwerfer 35）は、第二次世界大戦中にドイツ国防軍が使った迫撃砲の一つで、特には化学兵器戦において重要な役割を果たしました。その名の「ネーベル」はドイツ語で「霧」を意味し、軍事関連の文脈では煙幕を指します。つまりネーベルヴェルファーとは、煙幕発射器という意味から派生した名称であり、化学兵器の使用を隠すための意図が秘められていました。

ネーベルヴェルファーは、ロケットランチャーの形式が多く知られていますが、元々は迫撃砲としての用途が重視されていました。具体的には、40型までは迫撃砲の形をしており、41型以降はロケットランチャーとして運用されるようになりました。このように、用途や設計の進化を経て、選択肢としての性質も変化していったのです。

ただし、その性能は疑問視されることが多く、8 cm sGrW 34の迫撃砲と比較した場合、通常の戦闘において十分な威力を発揮できるシステムではありませんでした。特にアメリカ陸軍のM2 107mm迫撃砲や12 cm GrW 42との比較では、射程や威力において劣っていたため、陸軍内の化学兵器・迫撃砲運用部隊であるネーベルトルッペンでは、1941年以降にロケット砲へと移行されることとなりました。

その後、ネーベルヴェルファー 35は空軍の地上部隊に引き渡され、そこでは通常の迫撃砲として運用され続けることになります。このような運用の歴史から見ても、元来は陸軍の毒ガス投射機としての側面が強く、新たな技術や装備が登場するとその役割も変わっていくのが見えてきます。

特に、ロケット砲が戦争末期には本命視されていたため、ネーベルヴェルファーはあくまで一時的な化学戦装備としての側面があり、そのため将来的にはロケットランチャーの方が一般的に認識される存在となってしまいました。これは、戦争後の記憶や文献において、ネーベルヴェルファーという名称がロケットランチャーにだけ結び付けられるようになった大きな要因となっています。

関連項目

• - ネーベルヴェルファー
• - 10 cm NbW 40
• - 九四式軽迫撃砲
• - M2 107mm迫撃砲

このようにネーベルヴェルファー 35は、第二次世界大戦におけるドイツの軍事技術の一環として、時代の変化や戦術の進化を反映した装備の一つであると言えます。

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