10大天体

10大天体とは

占星術で中心的に扱われる10個の天体を「10大天体（じゅうだいてんたい）」と呼びます。これは単に「10天体」あるいは「10惑星」とも称されることがあります。占星術の世界では、流派によって重要視する天体や感受点の種類、数はさまざまですが、現代の西洋占星術においては、この10大天体を中心に用いるのが最も一般的かつ主流となっています。

構成要素

10大天体を構成するのは、以下の10の天体です。

• - 太陽
• - 月
• - 水星
• - 金星
• - 火星
• - 木星
• - 土星
• - 天王星
• - 海王星
• - 冥王星

これらのうち、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星の七つは、古来より世界中の占星術で共通して扱われてきた「七曜」と呼ばれる天体です。これに、近代以降の天文学的な発見により加わった天王星（1781年発見）、海王星（1846年発見）の二つの惑星、そして1930年に発見され、現在は準惑星に分類される冥王星を加えた計10個で成り立っています。天文学上の分類で冥王星が惑星から除外された後も、占星術の世界ではその象徴的な影響力が重要視され続けており、10大天体から外そうとする動きは限定的です。

占星術における「天体」の考え方

占星術では、天体そのものの物理的な性質や構造よりも、地球から見た場合の天球上での位置関係や動きが重要視されます（これを地心座標系といいます）。この独特の視点のため、「天体」として扱う対象にはいくつかの特徴があります。

第一に、地球から見て天球上で位置がほとんど変化しない太陽系外の恒星などは、通常、占星術の「天体」の対象とはなりません。個別の恒星や星団に象徴的な意味づけを行うこともありますが、一般的なホロスコープ作成においては惑星のような天体の位置を重視します。

第二に、観測者の視点が存在する場所である地球そのものも、当然ながら「天体」としては扱われません。占星術は地球上に立つ私たちから天空を見上げた現象を読み解く技術だからです。

第三に、月以外の惑星の衛星は、地球から見るとその母惑星とほぼ同じ方向に見えるため、個別の影響力を持つ「天体」として考慮されることは稀です。

その他の重要な天体・感受点

1930年の冥王星発見以降、10大天体が現代占星術の標準的な構成要素として広く用いられてきましたが、占星術の流派や個人によっては、これら10大天体以外にも、影響力を持つとされる特定の天体や、計算によって導かれる感受点（占星点）を用いる場合があります。代表的なものとしては、以下が挙げられます。

• - 小惑星: 特にセレス、パラス、ジュノー、ベスタといった、最初に発見された主要な小惑星が用いられることがあります。セレスは現在では準惑星に分類されています。
• - キロン: 土星と天王星の軌道の間にある、小惑星や彗星に分類される天体です。
• - ドラゴンヘッドとドラゴンテイル: 月の軌道と黄道（太陽の見かけの通り道）との交点です。これらは物理的な天体ではありませんが、天球上を移動する点として、占星術において重要な感受点として扱われます。

これらの天体や感受点は、10大天体だけでは捉えきれない、より詳細で専門的な象徴的意味合いを持つと考えられています。しかし、基本的なリーディングはまず10大天体の配置を基盤として行われます。

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