100万円クイズハンター

100万円クイズハンター：時代を彩ったクイズ番組の軌跡

『100万円クイズハンター』は、1981年9月28日から1993年10月1日まで、テレビ朝日系列で平日の朝に放送されていたクイズ番組です。泉放送制作との共同制作で、司会は俳優の柳生博が務めました。番組のキャッチフレーズは「生活の句読点」で、忙しい日常の合間に気軽に楽しめる番組として親しまれました。柳生博の「お茶でも飲みながらお楽しみください」というオープニングの言葉や、最終コーナーでの「ハンターチャンス!!」という掛け声は、番組の代名詞ともなりました。

番組の概要

番組は、1985年9月までは午前9時30分から10時まで、同年10月以降は午前10時から10時30分まで放送されました。正月には1時間スペシャルが放送され、芸能人や文化人がゲストとして出演することもありました。12年間で提供された賞品の総額は約38億円に上り、その人気の高さが伺えます。柳生博自身も「観てくれる人が“やめろ”と言わない限り続けたい」と語るほど番組に愛着を持っていましたが、1993年10月1日に惜しまれつつ終了しました。

復活とその後

番組終了後、しばらくは復活版は放送されていませんでしたが、2012年9月23日に『サンデープレゼント』枠で『復活!100万円クイズハンター2012』として19年ぶりに復活しました。この復活版では、司会を落語家の立川志の輔が務めました。また、復活版の宣伝として、柳生博の生活を紹介する特別番組も放送されました。さらに、同年12月には関東ローカルで2週にわたり『100万円クイズハンター2012』が放送され、再び話題を呼びました。

番組のルール

基本形式

番組は4チーム対抗戦で、各チームは赤、緑、黄色、青の解答席に座ります。初期は1人1チームでしたが、1992年3月以降はペア戦となりました。クイズは、ハンマーを使って早押しで解答する形式で、問題の途中でも解答が可能でした。不正解の場合は、解答席に×マークが付き、前半戦で2回、後半戦で1回付くと失格となります。

前半戦：ジャンル選択クイズ

前半戦は、スライド式で表示される20枚のジャンルパネルから1枚を選び、そのジャンルに関する問題に答えます。正解すると、賞品とその金額が獲得できます。ジャンルは基本的に直前の正解者が選びますが、柳生博が調整することもありました。20枚のパネルの中に1つだけ隠されている「ゴールデンハンマー」を当てると、後半のハンターチャンスで有利になる権利が得られます。正解者が出なかった場合は、賞品が視聴者プレゼントに回されました。

後半戦：ハンターチャンス

後半戦は、正解すると他の解答者が獲得した賞品を横取りできる「ハンターチャンス」です。問題は5問出題され、4問は全員参加、1問はゴールデンハンマー獲得者のみ解答できます。柳生博の「ハンターチャンス」の掛け声と共に、解答者席の後ろのセットが転換し、モニター周りの電飾が点灯します。獲得賞品はナレーターにより紹介され、クイズに入ります。正解者は、他の解答者の獲得した賞品の中から好きなものを選び、その賞品と金額を横取りします。ゴールデンハンマーを獲得した解答者は、指定した賞品を横取りできる権利を持ちますが、不正解の場合は他の解答者に横取りされるリスクもありました。

チャレンジゲーム

最終的に最も得点を獲得したチームがチャンピオンとなり、「チャレンジゲーム」に挑戦できます。チャレンジゲームは4種類あり、成功すればハワイ旅行を獲得できます。ゲーム形式は、ゲートをくぐる、パネルを選ぶ、コリントゲーム、ボックスをハンマーで叩くなどがありました。番組開始当初は勝ち抜き制でしたが、後に即戦即決形式に変更されました。

2012年復活版

2012年の復活版では、基本的なルールはそのままに、セットや演出が現代風にアレンジされました。司会は立川志の輔が務め、スタジオセットやBGM、ジャンルのロゴなどはレギュラー放送当時のものを忠実に再現しました。モニター表示や字幕スーパーが導入され、問題の補足説明や豆知識を紹介するコーナーも追加されました。また、ハンターチャンスのルールが一部変更され、賞品を全部取られても失格にはならず、2問間違えても1回休みとなるルールに変更されました。

番組のエピソード

番組タイトルは、放送開始時間が9時30分だったことから、「9時半だ、クイズ半だ、クイズハンターだ」という語呂合わせで決まりました。視聴者ターゲットを主婦層とし、賞品も婦人服や宝飾品などが多く用意されました。クイズマニアは出場させず、誰でも楽しめる番組を目指していました。番組収録は当初、TBSのスタジオで行われており、カメラにはTBSのロゴが隠されていました。スペシャル版では、「ボーナスチャンス」やVTR出題もありました。

逸話

番組には様々な逸話があります。女優・声優の喜多道枝が一般参加で出演し、自身の出演番組を宣伝しました。たけし軍団の井手らっきょが本名で出場し、柳生博からカツラを外されたり、都市伝説として「柳生博にお腹をなでてもらうと安産になる」と信じられていた時期もありました。

海外での展開

韓国では、ソウル放送が『알뜰살림 장만 퀴즈』というタイトルで、ほぼ同様のクイズ番組を放送していました。番組セットやハンターチャンスなど設定も酷似しており、日本のバラエティ番組でも取り上げられました。

パロディとゲーム化

『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』や『ラスタとんねるず'94』などのバラエティ番組でパロディ化され、『北野ファンクラブ』では「3000円クイズハンター」という企画もありました。また、笑福亭笑瓶や大泉洋など、多くのタレントが番組を真似しました。1996年にはMacintosh/Windows 95版のゲームソフトが、1998年にはプレイステーション版ゲームソフトが発売されました。ゲームでは、番組を忠実に再現した内容で、柳生博も声で出演しました。

番組の終焉と復活

1993年10月1日に番組は終了しましたが、2012年に復活版が放送され、再び多くの視聴者を楽しませました。番組は12年間にわたり、数多くの人々に愛され、その魅力は今もなお語り継がれています。

番組ネット局

レギュラー放送

レギュラー放送時は、テレビ朝日系列の各局で放送されましたが、ローカルセールス枠という性質上、一部の地域では放送が打ち切られていたり、遅れて放送されていたりしました。中京圏、近畿圏、福岡県では編成上の都合で放送されなかった地域もありました。また、視聴者プレゼントに応募する際、テレビ朝日宛てのハガキに「ご覧のテレビ局名」を記載する必要がありました。

復活版

2012年の復活版もローカルセールス枠で放送されました。朝日放送はプロ野球中継の影響で放送時間が遅れましたが、名古屋テレビと北海道テレビは同時ネットで放送されました。2012年12月の放送は、テレビ朝日のみの完全関東ローカル放送となりました。

スタッフ

番組は、多くのスタッフによって制作されました。構成は吉田典正氏らが担当し、問題監修は矢沢宏氏ら、音楽はフォノジェニックが担当しました。ディレクターには永野秀晴氏や渡部健二氏らが名を連ねました。プロデューサーは、テレビ朝日の小松伸二氏や日野裕氏、泉放送制作の野瀬貴雄氏らが務めました。

復活SP時スタッフ

2012年の復活SPでは、構成に寺田智和氏、SWに古橋稔氏、CAMに中田孝也氏、MIXに林田群士氏など、多くのスタッフが関わりました。演出は武島義之氏が担当し、プロデューサーは寺田伸也氏、高橋正輝氏、日下部恵一氏、佐藤禎剛氏が務めました。制作は、テレビ朝日と泉放送制作が協力して行われました。

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