喜多道枝

喜多道枝 (きた みちえ)

喜多道枝は、1935年3月11日に東京府（現・東京都）で誕生した日本の女優・声優です。彼女の家族は、著名な能楽シテ方喜多流の家系に所属しており、父は喜多実という十五世宗家でした。彼女自身は東京府出身で、現在は希楽星に所属しています。

略歴

喜多道枝は幼少期から演劇に強い興味を持ち、役者になることを目指していました。東京都立豊多摩高等学校を卒業後、俳優座養成所の第5期生として学びました。その後、劇団仲間、劇団四季、東京演劇集団「TES」、ユニオンプロ、プロダクション・エムスリーなど、さまざまな劇団での経験を経て、希楽星に所属することとなります。

人物

喜多道枝の声はソプラノで、その端正な声質が人々を魅了しています。特に素直な少年役を得意とし、テレビ番組『たけしの万物創世紀』に出演した際には、彼女が一人で八役を演じ分ける姿が「声優の神業」として紹介されました。この番組では、喜多は『フランダースの犬』の主役ネロだけでなく、アロアやジョルジュなど多くのキャラクターも演じ分け、瞬時に声を切り替える様子が視聴者や出演者を驚かせました。番組の解説によると、彼女がこれほど多くの役を演じ分けられるのは、声帯の振動数の違いに起因するとされています。一般的な成人男性の振動数は毎秒約100回、女性は約250回に対し、喜多は老人の声で約190回、男児の声で約700回と、大きな幅を持っています。

1979年には、テレビ朝日の『100万円クイズハンター』に本名の纓片道枝として応募し、番組の中で声優活動と芸名を公表しました。これをきっかけに、同番組では声優が特別企画として番組宣伝を兼ねて出場することが恒例化しました。

出演作品

喜多道枝は、多岐にわたるテレビドラマや映画、アニメ、舞台で活躍しています。彼女の主な出演作品を紹介します。

テレビドラマ

• - 月よりの使者 (1961年)
• - 蒼い描点 (1962年)
• - 特別機動捜査隊 (1976年、章子)
• - 銀河テレビ小説 総務部総務課山口六平太 (1988年、西川夫人)
• - NHK大河ドラマ 翔ぶが如く (1990年, 伊集院ヨシ)
• - 私の青空 (2000年)
• - ヒミツの花園 (2007年)
• - 食堂かたつむり (2010年)
• - 神様のカルテ 第二夜 (2021年、留川トヨ役)

映画

• - 盗まれた欲情 (1958年)
• - 催眠 (1999年)
• - きみはいい子 (2015年、佐々木あきこ役)
• - オケ老人! (2016年、宮崎しま子役)

テレビアニメ

1960年代から現在まで、喜多は数多くのアニメにも参加しています。

• - オバケのQ太郎 (ドロンパ)
• - 鉄腕アトム (アトムの母)
• - フランダースの犬 (ネロ)
• - 美味しんぼ (長田シェフ)

劇場アニメおよびゲーム

喜多道枝は劇場アニメやゲームでも活躍し、幅広い役柄に挑戦しています。特に、魔女っ子大作戦やドラえもんシリーズへの参加が知られています。

最後に

喜多道枝はその多才な才能と情熱で日本のエンターテインメントに貢献し続けています。彼女の独特な声と演技力は、多くのファンに愛され、今もなお新たな挑戦を続けています。

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