10cm K 17

10 cm K 17 (10 cm Kanone 17)

10 cm K 17は、第一次世界大戦においてドイツ帝国が運用した105mm口径の重野砲です。この砲の開発は、前モデルである10 cm K 14の課題を乗り越えることを目的としていました。K 14は射程が短く、ドイツ軍内でも評価が低かったため、クルップ社は新たな要求に応じて改良型のK 17を設計しました。

背景

第一次世界大戦は、各国が新技術を駆使し、極めて厳しい戦闘環境下で戦った時代です。その中でも砲兵は重要な役割を果たしていましたが、K 14はその限界を露呈し、軍のニーズに適合しなくなりました。そこで、長砲身で射程を大幅に伸ばすことが求められ、それに応えた形でK 17が開発されました。

特徴

K 17の最大の特徴は、45口径の長大な砲身です。この設計の変更により、砲の射程は格段に向上しました。ただし、砲身の長さが増したことで総重量も増大し、その搬送・運用に関して課題が生じました。実際、牽引する際には砲身を外して別の馬車に載せる必要があり、そのための特別な運用が求められました。

また、K 17の砲架と砲身は基本的に共通でしたが、駐退復座機には二つの異なる形式が存在しました。一つは気圧復座式、もう一つはばね圧復座式です。これは、製造工場の違いによるものとされています。

戦後の運命

戦争が終わると、ドイツはヴェルサイユ条約によって軍備を制限され、保有していた火砲の大部分を手放さなければなりませんでした。K 17も例外ではなく、いくつかの砲はスウェーデン、ルーマニア、オーストリアに売却され、残りはスクラップとして処分されたと考えられています。しかし、ドイツは一部の火砲を隠匿しており、第二次世界大戦の際には主に沿岸防衛任務に使用されることとなりました。

スペック

• - 口径: 105 mm
• - 全長: m
• - 全幅: m
• - 重量: 3,300 kg
• - 砲身長: 4,725 mm（45口径）
• - 仰俯角: -2°〜+45°
• - 左右旋回角: 6°
• - 運用要員: 名
• - 発射速度: 発/分（最大）
• - 射程: 16,500 m
• - 生産期間: 1917年 - 1918年
• - 生産総数: 192門

このように、10 cm K 17は単なる重野砲に留まらず、戦争の流れや技術の進化を映し出す重要な武器でした。ドイツ軍の運用スタイルにおいても、砲兵の持つ戦略的な役割を再認識させる存在でした。

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