11式装軌車回収車

11式装軌車回収車について

11式装軌車回収車（ひとひとしきそうきしゃかいしゅうしゃ）は、陸上自衛隊の重要な装備の一つで、10式戦車の車体を基にした戦車回収車です。この車両は、装軌車両が故障した際の迅速な回収や、整備作業をサポートするために特化しています。10式戦車の導入に伴って、これを運用する部隊の後方支援を目的として開発されました。これは、第二次世界大戦以降の国産戦車回収車としては、90式戦車回収車の後の開発例となります。

概要

11式装軌車回収車は、基本的に90式戦車回収車と同様の設計を採用しており、車体の右前部にはブームクレーンが装備されています。このクレーンは、故障した戦車の回収や修理作業を行う際に使用されます。また、車体の後部には安定性を高めるためのアウトリガーが設けられており、高い安全性が確保されています。加えて、車体の左前部にはレーザー検知器や8連装の発煙弾発射装置が装備されており、様々な状況に対応できるように工夫されています。

さらに、11式は自衛用として12.7mm重機関銃M2を搭載しており、これにより自車を防御する能力も備えています。試作車両は2013年3月に完成し、同年4月7日に駒門駐屯地で正式に公開されました。

配備部隊

この装備は、主に10式戦車を運用する部隊や後方支援部隊整備隊の戦車直接支援隊に配備されています。これにより、戦車部隊の整備や修理の効率を高める役割を果たすことが期待されています。一方で、即応機動連隊においては16式機動戦闘車の支援が重視されており、同連隊では78式戦車回収車や90式戦車回収車、重装輪回収車が用いられています。しかし、第8後方支援連隊では10式戦車が運用されており、11式の使用は続けられています。

まとめ

11式装軌車回収車は、陸上自衛隊の整備能力を強化し、戦車部隊の支援を円滑に行うための重要な装備です。これにより、戦場や演習場において迅速な対応が可能となり、自衛隊の戦闘力の一部として非常に重要な役割を果たしています。今後もこの装備が、陸上自衛隊の活動を支える要素として期待されています。

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