11ぴきのねこ

11ぴきのねこ

『11ぴきのねこ』は、著者馬場のぼるによる絵本シリーズであり、その第1作として1967年に発表されました。このシリーズの特徴は、11匹の猫たちが協力して冒険をする物語であり、特にその可愛らしいイラストと意外性のあるストーリー展開が魅力です。

主な物語は、食べ物を探している11匹の野良猫たちが、ある日、巨大魚が湖にいると聞き、その魚を捕まえるために仲間たちと協力し合う様子を描いています。仲間の心理や団結、そして“とらねこたいしょう”のリーダーシップが際立つ一方で、子ども向けに分かりやすく描かれています。

本シリーズは、創作当初から多くの子どもたちに愛され続け、2020年9月時点で451万部以上が出版されています。初作の成功を受け、以降も6作品が「11ぴきのねこ（と）」のタイトルで続々と発表されました。中でも、『11ぴきのねことあほうどり』は文藝春秋漫画賞を受賞し、『11ぴきのねこ マラソン大会』はボローニャ国際児童図書展エルバ賞に輝いています。

さらに、1980年と1986年にはアニメ映画化され、猫たちの冒険が視覚的にも表現されました。アニメはテレビなどで放送されたことがありますが、リバイバル上映は行われていないようです。

シリーズ作品の紹介

- 11ぴきのねこ (1967年)
- 11ぴきのねことあほうどり (1972年)
- 11ぴきのねことぶた (1976年)
- 11ぴきのねこ ふくろのなか (1982年)
- 11ぴきのねことへんなねこ (1989年)
- 11ぴきのねこ マラソン大会 (1992年)
- 11ぴきのねこ どろんこ (1996年)
- その他にも、「11ぴきのねこ かるた」など多岐にわたる作品が発表されています。

あらすじ

物語は、空腹の11匹の猫たちが道端で魚を奪い合うところから始まります。そこで出会ったじいさん猫から湖に巨大な魚がいることを教わり、猫たちはその魚を捕まえるために筏を作り湖へ向かいます。待ち続けた後、ついに巨大魚が現れ、猫たちは力を合わせて捕まえようとしますが、その力に敗北。

しかし、猫たちは諦めず、体を鍛えつつ、作戦会議を開いて再挑戦します。魚の歌声を偶然耳にした猫たちは、やがてその晩、再度魚を囲み、歌いながら捕まえることに成功するのです。リーダーのとらねこたいしょうは、仲間のために魚を見せるまでは食べないと約束しますが、最後には誘惑に負け、魚を食べ尽くしてしまいます。物語は、協力や友情、そして誘惑に打ち勝つことの大切さを教えてくれる内容です。

登場キャラクター

主な登場キャラクターには、11匹の猫のリーダーであるとらねこたいしょうや、他の10匹の猫たちがいます。彼らは色や姿は似ているものの、家族ではないという個性があります。このシリーズを通して、猫たちの個性が際立ち、彼らのキャラクターや関係性も楽しむことができます。

また、市長や警察署長、ヒゲ長じいさんなどのキャラクターも物語に彩を与え、彼らのやりとりが猫たちの冒険を盛り上げています。今もなお、世代を超えて愛される『11ぴきのねこ』は、絵本だけでなく舞台やアニメでもその魅力を届け続けています。今後も新たな展開に期待が高まります。

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