12 cm GrW 42

12 cm GrW 42 (Granatwerfer 42)

12 cm GrW 42（Granatwerfer 42）は、第二次世界大戦においてドイツ国防軍が採用した重迫撃砲です。この砲は、独ソ戦の初期にソ連赤軍の120mm迫撃砲であるPM-38を鹵獲したことから着想を得て開発されました。ドイツ軍は捕獲したPM-38を「12 cm Granatwerfer 378 (r)」という名称で使用し、その後、数種類の改良を加える中でほぼ同一のデザインで新たなモデルを生み出したのです。

設計と特徴

12 cm GrW 42は、外形や性能が前身のPM-38に近いものの、射程が若干延びているのが特徴です。この迫撃砲は、ソ連製の砲弾に加えて、ドイツ独自の榴弾が4種類発射できる能力を備えています。そのため、様々な戦場に対応する柔軟性を持ち、部隊によって広く使用されました。

この重迫撃砲は、通常、歩兵大隊の重火器中隊に管理され、そこに設置される小隊には4門が配備されました。砲の牽引方法もPM-38と同じ方式が採用されており、トレーラーに搭載して弾薬車とセットで移動する形式です。これにより、部隊は前線での機動力を確保しつつ、必要な火力を提供できるため、戦場の状況に応じた使用が可能でした。

移動と扱いやすさ

他の国の同等クラスの迫撃砲と比較すると、ドイツ製の迫撃砲はそのサイズや重さから移動が難しいという欠点があります。このことから、兵士たちの中には「重迫病」と呼ばれる腰痛の職業病が多く見受けられるようになりました。しかし、12 cm GrW 42は車輪を有するため、原型のPM-38同様に移動がしやすくなっており、兵士たちの負担軽減に寄与しました。

仕様

この迫撃砲の戦闘重量は285 kgであり、砲身長は1,865 mmです。発射時の最大仰角は45度から84度まで調整が可能で、射角は8度から17度の範囲で設定できます。また、初速は283m/s、最大射程は6,050mとされています。発射速度は8発から10発/分（最大）であり、砲身寿命は約3,000発です。そして、砲弾の重量は15.6 kgという仕様になっています。

まとめ

12 cm GrW 42は、独ソ戦を通じてドイツ軍において重要な役割を果たした重迫撃砲です。その設計は、先代のソ連製迫撃砲PM-38を基にしたものでありながら、ドイツ軍の戦術や要求に適合した形で改良が施されています。兵士たちの負担を軽減する設計や、優れた射程能力により、数多くの戦場で活躍しました。

もう一度検索