12式地対艦誘導弾能力向上型

12式地対艦誘導弾能力向上型

概要

12式地対艦誘導弾能力向上型は、日本の陸上自衛隊において、既存の12式地対艦誘導弾を基に開発されている新しいステルス性能を持つ巡航ミサイルです。このミサイルは、より長い射程を可能にし、多様な発射プラットフォームから運用できることが大きな特徴です。

開発背景

日本は2018年12月に、スタンド・オフ・ミサイルの導入に関する計画を閣議決定しましたが、外国製ミサイルの導入が遅れる状況が続いていました。このため、国産の新たなミサイル防衛体制を構築する必要が生じ、12式地対艦誘導弾能力向上型の開発が推進されることとなりました。2020年の閣議決定を経て、陸上、自艦、空中発射型の計画が含まれ、開発コストは約999億円と見込まれています。

設計の特徴

この新型ミサイルは、ASM-3や既存の12式地対艦誘導弾（改）の開発成果を生かしつつ、性能向上を目指しています。長射程化を図るため、特大の展開主翼や効率的なターボファンエンジンの搭載が決定されています。また、RCS（レーダー反射断面積）を削減するための設計変更も施され、従来の円筒形から大きく外見が変わることが予想されています。

射程においては、既存の国産対艦ミサイルが約200kmであるのに対して、新型ミサイルは900kmを目指し、最終的にはトマホークミサイルに匹敵する1,500kmを実現することを目指しています。

開発の進展

2022年8月、日本政府は12式地対艦誘導弾能力向上型の量産を2024年度に開始する方針を発表しました。また、現在検討中の潜水艦発射型や、空からの運用に向けた能力向上も進められています。2023年4月には、量産および各発射型の継続開発に関する契約が三菱重工業との間で締結されました。

このように、段階的に導入が進められ、令和6年度においてはより早く配備される見込みです。

ゲームでの登場

このミサイルは、一部のゲームにおいても登場しており、たとえば『Modern Warships』では「Yamato aegis」という艦の装備として「12式改誘導弾」が設定されています。

まとめ

12式地対艦誘導弾能力向上型は、国産のミサイルシステムとしてその位置付けを確立しつつあり、陸上自衛隊が海上防衛の強化を図るための重要な装備となることでしょう。今後の開発の進展と成果に期待が寄せられています。

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