12.8 cm FlaK 40 Zwilling

12.8 cm FlaK 40 ツヴィリンについての詳細

12.8 cm FlaK 40 ツヴィリンは、第二次世界大戦中にドイツで開発された連装高射砲です。この砲は、12.8 cm FlaK 40を2門並べた構造を持つことで、強力な射撃能力を誇っていました。名前の「ツヴィリン」はドイツ語で「双子」を意味し、2門の砲が繋がっていることを示しています。この砲は特に都市部の防空を目的としており、戦闘機や爆撃機の迎撃に使用されました。

開発の背景

ツヴィリンは、1930年代末にハノマーク社によって開発が始まり、1940年に試作が完成しました。戦略的な目的に応じた固定砲台として設計され、主に大都市や重要な施設を防御するために配置されました。1942年春に最初の配備が行われたのは、ベルリンにある高射砲塔です。高額なコストのため、生産数は限定的で、最終的には34門から38門が製造されたとされています。

構造と機能

ツヴィリンの基盤は、12.8 cm FlaK 40の機構をそのまま活用し、円形の台座に設置された砲架と砲が組み合わさっています。この砲は360度の旋回が可能で、俯仰角はプラス87度からマイナス3度まで調整できます。特筆すべきは、自動装填装置が搭載されており、通常の手動装填の労力を軽減しています。

また、信管調整装置により、弾頭の調整も自動で行われ、その情報は中央管制から電気信号で送信されます。これにより、高速かつ正確な射撃が可能となり、戦場での効果的な運用が期待されました。

射撃能力

この高射砲は、毎分20発以上の弾を発射する能力を持ち、重量26kgの弾頭を初速880m/sで射出します。有効射程は10,675mであり、最大到達高度は14,800m、水平射撃時には20,475mに達します。ただし、砲身の耐久性は1,000発から2,000発程度であり、頻繁に使用すると砲身の交換が必要になります。

操作には22名の要員が必要で、射撃や給弾に関する複雑な動作を円滑に行うための工夫が随所に施されています。また、手動ハンドルがなく、動力での旋回操作が求められます。

戦歴と運用

ツヴィリンは、高射砲塔に配備されたものの、固定式のため実戦での使用機会は限られました。しかし、ベルリンにあったものはソ連赤軍との交戦で活躍したとされています。特に、俯角が浅いため高い位置からの弾道が求められ、敵機が近づく前に迎撃射撃を行う必要がありました。

弾薬の種類

ツヴィリンに使用される弾薬は多様で、12.8 cm榴弾や破砕榴弾、対戦車徹甲弾などが存在しました。これらはそれぞれ異なる特性を持ち、戦況に応じた柔軟な対応が求められました。

結論

12.8 cm FlaK 40 ツヴィリンは、その独自の構造と高い性能により、当時の高射砲技術の頂点を示す存在でした。しかしながら、固定式の限界から戦場での活躍は限られ、システム全体の複雑さと高コストが課題となりました。戦時の技術革新を反映したこの砲は、歴史の中で特有の位置を占めています。

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