15号族

サラブレッドの血統を紐解く上で重要な要素となるのが、牝系（母系）です。数多くの牝系が存在する中、15号族は比較的歴史が古く、興味深い系譜を持つ一族として知られています。

15号族は、その番号からもわかるように、古くから存在する牝系です。活躍馬は19世紀中頃までに集中しており、現在ではその勢力は大きく縮小しています。そのため、現代の競馬ファンにとって、なじみの薄い牝系と言えるかもしれません。日本においても、その子孫はごくわずかしか輸入されておらず、大競走の勝ち馬は未だ誕生していません。

15号族の代表的な活躍馬としては、1970年代に重賞競走を3勝したスルガスンプジョウや、アエロプラーヌなどが挙げられます。しかし、長らく低迷していた15号族に、大きな転機が訪れたのは2008年でした。アエロプラーヌの全妹であるカイウンテンシの孫にあたるスマイルジャックが、日本ダービーで2着に入線し、重賞競走3勝という輝かしい成績を収めたのです。このスマイルジャックの活躍は、衰えかけていた15号族に再びスポットライトを当てるきっかけとなりました。

2010年代に入ると、15号族の活躍馬はさらに増加しました。欧州においては、ウィンターやデフォーといった馬がG1競走を制覇するなど、その存在感を示しました。そして、2020年には日本でもダノンザキッドがホープフルステークスを優勝、G1馬の仲間入りを果たしました。ダノンザキッドの活躍は、15号族の潜在能力の高さを改めて証明するものとなりました。

このように、15号族はかつての勢いを取り戻しつつあります。その牝祖はロイヤル・メア（Royal Mare）であり、グレーホワイノットの母としても知られています。15号族の系譜をたどると、数多くの名馬がその先祖に名を連ねていることがわかります。

ただし、注意すべき点として、セリマ（Selima、1746年・英）は、15号族ではなく21号族として扱われています。セリマに関する詳細は、21号族の解説を参照してください。

15号族は、かつては多くの活躍馬を輩出したものの、現在は比較的マイナーな牝系です。しかし、近年になって再びその存在感を示し始めており、今後の活躍にも大いに期待が寄せられています。今後の15号族からどのような名馬が誕生するのか、競馬ファンならずとも注目せずにはいられないでしょう。

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