15cm K(E)列車砲

15cm K(E)列車砲の概要

15cm K(E)列車砲は、第二次世界大戦中にドイツで用いられた列車基盤の砲台です。この砲は、ドイツ陸軍が1936年に開始した緊急計画に従って開発され、主に沿岸防衛やプロパガンダ活動で活躍しました。特にその運用は、ドイツの列車砲戦力の一部として重要な役割を果たしました。

開発と製造の背景

第一次世界大戦の終結後、ドイツはヴェルサイユ条約により軍事力を制限されました。しかし、それでもなお、列車砲の理論研究は続けられていました。1934年に再軍備が宣言されると、ドイツ陸軍は様々な列車砲の開発を本格的にスタートさせました。開発は、時間をかけて行う計画と、即座に対応する緊急計画に分けられ、15cm K(E)列車砲は後者にあたるものです。この砲は、1936年頃にクルップ社によって設計され、1937年から1938年にかけて限られた数のみ生産されました。

生産数は資料によって異なり、4門から最大で18門までと幅がありますが、列車砲としては小口径だったため、生産は少数に留まりました。

設計の特徴

この列車砲には、海軍用の15cm SK C/30艦載砲が使用されています。この砲は第一次世界大戦に由来する古いもので、クルップ社の予備砲身を再利用していました。砲架は360度の旋回が可能で、射撃時には両側に装備された2基のアウトリガーにより安定性が得られます。装甲防盾が装備されたものも存在しました。

また、弾薬には、15cm K18カノン砲と同様のGr18が使われ、発射速度は毎分約3発で最大射程は22.5キロメートルに達しました。この設計により、当時の戦闘においても一定の効果を発揮しました。

運用と展開

15cm K(E)列車砲は、ドイツ陸軍の第655列車砲中隊に配備されました。その後、ドイツ海軍へも数門が移されましたが、最終的には元の部隊に戻されることとなります。開戦前は、類似の17cm K(E)列車砲と共に、ドイツ全国を回りプロパガンダの一環として利用されました。

開戦後は、それほど重要度が高くない地域での沿岸防衛任務に従事しました。1945年時点でも、一部の砲は現役で配備され続けていました。

結論

15cm K(E)列車砲は、ドイツの戦争努力において特異な位置を占めており、その限られた運用と歴史的な背景が特徴的です。この兵器の功績は、一時的ながらドイツ陸軍の防衛力を支える役割を果たしました。

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