16文キック

16文キックについて

16文キックはプロレスにおける重要な蹴り技の一つで、ジャイアント馬場によって広く知られるようになりました。この技は、相手がロープを利用して攻撃してきたり、自らが前方に動いてくるところを狙う形で行われます。馬場は主に左足を高く上げて顔面を狙う技であり、この独特なスタイルは彼の利き足や体格から来ているとされています。

由来と命名

「16文キック」という名前は、ジャイアント馬場の靴のサイズに因んで名付けられました。アメリカのサイズ基準で馬場はサイズ16（約31.5cm）であり、その数字が日本の古い単位である「文（もん）」と混同され、16文と表記されました。このような経緯により、一見単純そうに見えるこの技は、実際には馬場の体格に特化したものだと認識されています。実験的な数値では、馬場の実際の足サイズは約32cmで、16文は約38.4cmになりますが、あくまでも名前の由来として受け止められています。

技の実用性

16文キックの最大の魅力は、カウンターとしての威力です。直立状態で片足を高く持ち上げる必要があるため、体力や柔軟性が要求されます。馬場はこの技を駆使して多くの相手を倒し、試合の流れを変えることができました。他の選手でもこの技を真似しようとしましたが、馬場のように見事に決めることは難しいとされます。特に、馬場と同時代に活動していた坂口征二も同様の技を試みましたが、馬場のような高さと正確さは独特で、馬場が特別な存在であることを示しています。

エピソード

16文キックは特にミスター珍との対戦時に注目されました。その際、珍が技を受けたことで重体になり、馬場はその後の健康状態を気にかけるほどでした。この出来事は馬場の心理的負担を大きくしたこともあり、プロレス界全体でも衝撃的なアクシデントとして記憶されています。

同型技の存在

国内外で似たような技が存在し、特に「フロント・ハイキック」や「ビッグ・ブート」といった名前で知られる技がありますが、これらはそれぞれ異なるフォームや効果があります。ビッグ・ブートは特に長身のレスラーによって広く使われており、その強力なインパクトがファンを魅了しています。

また、16文キックには派生技も存在し、時にはタッグチームシーンにおいて合体技として進化を遂げることもあります。アンドレ・ザ・ジャイアントが使った「18文キック」や、ジャンボ鶴田の「ジャンボ・キック」など、多様な名称の技が存在します。これらの技はそれぞれ異なる選手やスタイルによって影響を受けていますが、16文キックが日本国内で馬場の代名詞となったことは間違いありません。

16文キックは単なる蹴り技以上のものであり、ジャイアント馬場のスタイルや身体能力、プロレスにおける重要性を象徴する技であると言えるでしょう。

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