1791年の相撲

1791年の相撲界は、江戸相撲を中心に大きな動きがありました。この年の出来事、興行内容を詳しく見ていきましょう。

1791年の相撲界の動向

1791年、江戸相撲の4月場所は、雨天が続いた影響で2ヶ月の延期を余儀なくされました。しかし、その延期期間中に、将軍徳川家斉による上覧相撲が江戸城吹上苑にて開催されることとなりました。この上覧相撲は、相撲界にとって特別な意味を持つ出来事となりました。

この年の大きな特徴として、横綱に推挙された谷風梶之助と小野川喜三郎に加え、無類力士として名高い雷電為右衛門が登場したことが挙げられます。これらの力士たちの活躍により、江戸相撲は最初の絶頂期を迎えることとなります。特に、雷電為右衛門は、その圧倒的な強さで相撲ファンを魅了しました。

1791年の興行

1791年には、以下のような興行が行われました。

上覧相撲
将軍徳川家斉が上覧
場所: 江戸城吹上苑
開催日: 7月11日（旧6月11日）

この上覧相撲は、将軍徳川家斉が相撲を観覧した特別な興行でした。江戸城内という特別な場所での開催は、相撲界にとって大きな名誉であり、力士たちの士気を高める上で重要な役割を果たしました。

4月場所（江戸相撲）
場所: 本所回向院
開催期間: 7月22日（旧6月22日）より晴天10日間

雨天の影響で2ヶ月延期された4月場所は、7月22日から本所回向院で開催されました。晴天が続いた10日間、力士たちは熱戦を繰り広げ、多くの観客を魅了しました。

8月場所（大坂相撲）
場所: 難波新地
開催期間: 9月12日（旧8月15日）より

大坂相撲は、難波新地で開催されました。江戸相撲とは異なる力士たちが活躍し、大坂の相撲ファンを楽しませました。

11月場所（江戸相撲）
場所: 本所回向院
開催期間: 12月10日（旧11月15日）より晴天10日間

年末には、再び本所回向院で江戸相撲が開催されました。12月10日から10日間、冬の寒さにも負けず、力士たちは力強い取り組みを披露しました。

まとめ

1791年は、江戸相撲において、雨天による場所の延期というアクシデントに見舞われたものの、上覧相撲の開催や、谷風梶之助、小野川喜三郎、雷電為右衛門という名力士たちの活躍によって、相撲界が大きな盛り上がりを見せた年でした。特に雷電為右衛門の登場は、相撲の人気をさらに高め、江戸相撲の黄金時代を築く上で重要な要素となりました。この年の出来事は、相撲史においても特筆すべき出来事として語り継がれています。

参考資料

酒井忠正『日本相撲史 上巻』ベースボール・マガジン社、1956年6月1日。

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