1791年憲法

1791年憲法の概要

1791年憲法、正式には「Constitution de 1791」は、フランスにおける初の憲法であり、1791年9月3日に制定されました。この憲法は、1789年6月9日の球戯場での誓い以降、国民議会が憲法の制定を目指し活動を始めた結果、創られました。フランス革命の幕開けとなるバスティーユ襲撃を契機に人権宣言が採択されるなどの過程を経て、最初の憲法が成立したのです。

憲法の構成と主な内容

1791年憲法の前文には人権宣言の17条が含まれ、本文は207条から成り立っています。憲法はフランスを立憲君主制へと移行させ、王権神授説が放棄され、国王は「国民の代表者」として扱われます。つまり、国王は歳費を得る官吏としての立場に置かれました。しかし、国王は行政権を持ち、内閣の閣僚の任免を議会外から行うことができ、立法権に対する拒否権も持っていました。

立法議会は一院制で構成され、745名の議員が任期2年で選出されました。選挙制度は、一定の納税者による制限選挙を導入し、その結果、国民の多くを占める農民や貧民は政治から排除されました。このことから、政治への不満が渦巻くこととなりました。司法権は裁判所にあり、裁判官は公選制へと転換され、陪審制が導入されました。地方行政は、フランス全土を83の県に分け、さらに地区やカントン、市町村に細分化されました。

この憲法は、国民投票によって承認されることなく、王の裁可によって効力を持つものでした。憲法の内容は、革命派と反革命派の妥協の産物であり、混乱を収拾するためのものであったといえるでしょう。

1791年憲法体制の確立とその後

ラファイエットを中心に、アントワーヌ・バルナーヴ、アレクサンドル・ド・ラメット、アドリアン・デュポールら「三頭派」が主導するなかで、国民議会は新しい制度の構築に着手しました。彼らは能動的市民と受動的市民を区別する制限選挙を導入し、新しい地方行政システムやアッシニア紙幣の発行、教会を国家に従属させる法律などを次々と制定していきました。

しかし、革命側から見ると、国王側がこれらに協力するかどうかが大きな不安要素であり、議会は立法府の優位を強調する姿勢を取るようになりました。また、国王ルイ16世はオーストリアや他国の宮廷に対して、援助を求める行動を取り、国内の分裂を助長するような動きも見せました。

一方、制限選挙に反対する民主派からの攻撃もあり、パリ市内の行政区分の再編成や農民解放の進捗の遅れなどが、さらなる不満を生むことになりました。特に、1790年には農民一揆が頻発し、経済的な混乱が波及しました。こうした状況は1790年8月のナンシー連隊の反乱に結実することとなり、愛国派による革命方式の限界を露わにしました。

結局の破綻

憲法制定後、1792年8月10日のテュイルリー宮殿襲撃により、1791年憲法は事実上、その機能を失うことになりました。このように、1791年憲法は、革命の中でしばらくの間は機能したものの、最終的にはその役割を果たすことができなかったのです。この一連の流れは、フランス革命の深刻な分裂と混乱を象徴するものであり、さらなる歴史的な変化への道を開くこととなりました。

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