17cm K 18

17cm K 18: 重カノン砲の概要

17cm K 18（ドイツ語: 17 cm Kanone 18）は、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中に使用した重カノン砲で、173mmの口径を持っています。この砲は1942年から1945年にかけて配備され、主に軍団司令部直轄の砲兵部隊に使用されました。設計を担当したのはクルップ社で、21cm Mrs 18の後継機として位置付けられました。

設計と発展

17cm K 18は、21cm Mrs 18が持つ大きな威力に対して射程が不足していたことを受けて開発されました。東部戦線では、ソビエト連邦軍が使用するML-20 152mm榴弾砲やA-19 122mmカノン砲の射程外から攻撃を受けることが多く、そのため射程を延長する必要がありました。この新しいカノン砲は、砲架は21cm Mrs 18と共通で、砲身のみが新設計のものとされています。

17cm K 18は口径が173mmと小さくなったものの、射程はなんと29,600メートルにも及びます。これにより、遠距離からの敵砲撃に対して有利に撃ち返すことが可能となりました。

運用の難しさ

しかし、この重カノン砲は非常に重く、砲撃準備や移動の際には困難が伴いました。具体的には、砲身を外さなければ長距離輸送ができないため、運搬にかなりの手間を要します。さらに、当時のドイツ軍は大型砲を牽引できる装軌式のトレーラーや支援車両が不足していたため、17cm K 18の運用は常に課題を抱えていました。

生産と運用

17cm K 18は1941年から1945年の間に338門が生産され、カタログ上では非常に優れた性能を示していました。しかし、高価でかつ移動準備に時間がかかるため、撤退時には多くの砲が放棄される事態も見られました。

自走砲型の試み

17cm K 18の使用には重さによる運用上の難しさがあったため、戦車に自走式として搭載する構想もありました。1942年にはティーガーIの車体を利用した自走砲（17cm k43）の開発計画がありましたが、この案は実現には至りませんでした。次いで、ティーガーIIの車体を用いた「Gerät 809」としての設計が進められましたが、モックアップを除けば試作のみで終わりました。

また、17cm K 18を戦車砲として改良した「17cm KwK44」の計画も立てられましたが、こちらも具体化することはありませんでした。

最後に

17cm K 18は、第二次世界大戦におけるドイツ軍の重カノン砲として、その射程や火力の点で重要な役割を果たしましたが、その重さや取り扱いの難しさもあり、数回の撤退では困難を強いられました。このように、重砲の運用は常に戦争において課題であり、戦略的な考慮が必要とされました。

もう一度検索