1885年全米選手権 (テニス)

1885年 全米選手権についての詳細

1885年にアメリカ・ロードアイランド州のニューポート・カジノで開催された第5回全米選手権は、テニス界における重要なイベントの一つでした。この大会は、1881年から1886年の間、男子シングルスと男子ダブルスの2部門で実施されましたが、1887年以降には女子シングルス、1892年からは混合ダブルスも公式競技として加わりました。

全米選手権の特徴の一つは、各競技部門が個別の名称を持ち、それぞれ異なる会場で行われていた点です。例えば、男子シングルスは「全米シングルス選手権」、男子ダブルスは「全米ダブルス選手権」と呼ばれました。この特異なスタイルは、他の3大テニス大会とは異なる点であり、初期の全米選手権では外国からの選手は非常に少なかったため、主に地元のアメリカ人選手の名前が大会に姿を現しました。

1884年からは独自の競技方式が導入され、チャレンジ・ラウンドとオールカマーズ・ファイナルが行われました。この方式は、1878年にウィンブルドン選手権で始まったもので、前年度の優勝者は無条件でオールカマーズ・ファイナルに出場するのに対し、他の選手はチャレンジ・ラウンドで挑戦権を争いました。そのため、この大会は勝者が決定する一連の流れが、他の大会とは一線を画す特色となっています。

1885年の男子シングルスのチャレンジ・ラウンドは、準々決勝から始まり、準決勝、そして決勝へと進む形式でした。準々決勝では、ジョセフ・クラークがアレックス・モファットを相手に苦戦しながらも勝利しました。パーシー・ナップはハワード・テーラーとの試合で逆転勝ちを収め、ゴッドフリー・ブリンリーとウォルター・ベリーもそれぞれ対戦相手に勝利をしました。準決勝では、パーシー・ナップがジョセフ・クラークを、ゴッドフリー・ブリンリーがウォルター・ベリーを下しました。

決勝では、ゴッドフリー・ブリンリーがパーシー・ナップを相手に中々の接戦を繰り広げ、セットごとの勝敗は6-3、6-3、3-6、6-4という結果に終わりました。この決勝戦の勝者がオールカマーズ・ファイナルに進む権利を得ることとなります。このオールカマーズ・ファイナルでは、前年度優勝者リチャード・シアーズとゴッドフリー・ブリンリーが対戦し、シアーズが見事に連覇を達成しました。結果は6-3、4-6、6-0、6-3というスコアでした。

男子ダブルスでは、リチャード・シアーズとジョセフ・クラークがヘンリー・スローカムとパーシー・ナップのペアを相手に、圧倒的な強さを見せて勝利を収めました。セットスコアは6-3、6-0、6-2で、シアーズはダブルスでもその名を轟かせることとなりました。

このように、1885年の全米選手権は男子シングルスでのリチャード・シアーズの連覇が際立ち、またダブルスでも彼の存在感が際立った大会でした。テニスの歴史においてこの大会の位置付けは非常に重要であり、今もなお高く評価されています。

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