1890年のメジャーリーグベースボール

1890年のメジャーリーグベースボールの出来事

1890年のメジャーリーグベースボール（MLB）は、数多くの興味深い出来事がありました。その中心にあったのは、プレイヤーズ・リーグの誕生とその短命な運命、そしてブルックリンやシンシナティの動きでした。

プレイヤーズ・リーグの誕生と挫折

前年の12月に誕生したプレイヤーズ・リーグは、既存のナショナルリーグやアメリカン・アソシエーションから選手を大量に引き抜きました。しかし、ナショナルリーグ側はこれに対応するため、マイナーリーグから選手を補充し、給料を上げて脱退者を誘還しようとしました。これによってプレイヤーズ・リーグは急速に厳しい状況に追い込まれることとなりました。

プレイヤーズ・リーグは8つの球団から成り立ちましたが、そのうち7つは既存のナショナルリーグとアメリカン・アソシエーションのチームが本拠地を置く都市に存在していました。このため、同じ都市に競合する球団が複数存在する混乱が生じました。特にニューヨークでは、新たに誕生したプレイヤーズ・リーグのジャイアンツと、ナショナルリーグのジャイアンツの2つのチームが存在することになり、混乱は深まりました。さらに、リーグのスポンサーとの関係も悪化し、期待されていたプレイヤーズ・リーグはわずか1年で崩壊しました。この解散は、選手移動におけるナショナルリーグとアメリカン・アソシエーションの間の摩擦を引き起こし、1891年への影響を及ぼしました。

ナショナルリーグへの移動

プレイヤーズ・リーグの解散に伴い、ナショナルリーグは新たな対抗策を講じます。前年、アメリカン・アソシエーションに所属していたブルックリン・ブライドグルームスとシンシナティ・レッドストッキングス（現在のレッズ）が、アメリカン・アソシエーションを脱退し、ナショナルリーグに参加しました。この結果、前年7位と最下位であったインディアナポリス・フージャーズとワシントン・ナショナルズは脱退し、ブルックリンとシンシナティが仲間入りしました。

特にブルックリン・ブライドグルームスは、この年にナショナルリーグで優勝し、後にはドジャースと改称されました。その後、1894年にブルックリン市がニューヨーク市と統合され、同じ都市で同じリーグに所属するジャイアンツとのライバル意識が芽生えました。この競争は1920年代からのニューヨーク・ヤンキースの台頭まで続きました。

同一都市の球団競合

ブルックリンでは、ブルックリン・ブライドグルームスがナショナルリーグに移る一方で、アメリカン・アソシエーションにはブルックリン・グラディエイターズが参加しました。後者はシーズン途中で破綻し、ブルックリン・ワンダーズというプレイヤーズ・リーグの球団も一時ここに存在しましたが、こちらもこの年限りで解散しました。

また、ニューヨークにも同名の球団が混在し、ボストンではボストン・レッズがプレイヤーズ・リーグで優勝するも、同年限りで消滅しました。フィラデルフィアでも同様に、複数のチームが存在し混乱が広がりました。

最後の全米選手権

1890年のシーズン終了後、ナショナルリーグのブルックリン・ブライドグルームスとアメリカン・アソシエーションのルイビル・カーネルズが全米選手権に進出しました。ここでは両者が3勝3敗1引き分けという僅差で、プレイヤーズ・リーグのボストン・レッズは参加を果たせませんでした。この年の全米選手権は19世紀最後のものであり、以降の歴史において大きな意義を持つ出来事となりました。

サイ・ヤングのデビュー

1890年、この年に初めて登場した若き投手サイ・ヤングは、クリーブランド・スパイダーズでデビューし、シカゴ・コルツ相手に勝利を収めました。以後の彼の成績は目覚ましく、その後も高校時代のライバルたちとの戦いや進化を見せつけました。その後、彼の名はMLBにおける大記録の一つとして刻まれることとなります。

記録達成

この年、ティム・キーフが史上2人目の300勝を達成し、ミッキー・ウェルチが続いて3人目の300勝を記録しました。これらの出来事は、MLBの歴史において記念すべき瞬間となったのです。

1890年のMLBシーズンは、さまざまな変革と記憶に残る出来事が展開され、以降のプロ野球の進展に対する重要な時期でした。

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