1897年ウィンブルドン選手権

1897年ウィンブルドン選手権

1897年、ウィンブルドン選手権はイギリス・ロンドン郊外のオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブで開催されました。この大会は、男子シングルスと女子シングルスの両方において、熱戦が繰り広げられました。

大会の形式

大会は、男子シングルスが1878年から、女子シングルスは1886年から「チャレンジ・ラウンド」と「オールカマーズ・ファイナル」の二段階方式で行われていました。この方式では、前年度の優勝者を除く選手が「チャレンジ・ラウンド」に参加し、勝者が前年度優勝者への挑戦権を得ます。勝ち上がった選手と過去の優勝者が対戦する「オールカマーズ・ファイナル」で、その年のチャンピオンが決定されました。

この年の女子シングルスでは、競技者が7名しか参加しないなど、初期の大会では外国人選手が少ない状況が続きました。そのため、当時は主に地元イギリスの選手の国旗表示が省略されていました。

大会の結果

男子シングルス

男子シングルスでは、過去のチャンピオンであるハロルド・マホニーが「オールカマーズ・ファイナル」に出場しました。チャレンジ・ラウンドでは、以下のような試合が行われました。

• - 準々決勝

- シドニー・スミス vs. ジョージ・ヒルヤード: 3-6, 6-4, 6-2, 6-4
- ウィルバーフォース・イーブズ vs. ジョージ・グレビル: 6-1, 6-2, 8-10, 6-0
- ウィルフレッド・バデリー vs. ローレンス・ドハティー: 6-4, 6-2, 6-2
- レジナルド・ドハティー vs. フランク・ライスリー: 不戦勝

• - 準決勝

- ウィルバーフォース・イーブズ vs. シドニー・スミス: 6-2, 5-7, 1-6, 6-2, 6-1
- レジナルド・ドハティー vs. ウィルフレッド・バデリー: 6-3, 6-0, 6-3

• - 決勝

- レジナルド・ドハティー vs. ウィルバーフォース・イーブズ: 6-3, 7-5, 2-0（途中棄権）
- オールカマーズ決勝:
- レジナルド・ドハティー vs. ハロルド・マホニー: 6-4, 6-4, 6-3（R・ドハティーが優勝）

女子シングルス

女子シングルスのチャレンジ・ラウンドでは次のような試合が行われました。

• - 1回戦

- ヘンリエッタ・ホーンキャッスル vs. E・M・タイム: 12-10, 6-4
- ブランチ・ビングリー・ヒルヤード vs. エディット・オースチン: 6-0, 6-1
- ルース・ディアス vs. E・J・ブロムフィールド: 6-0, 6-3
- アリス・シンプソン・ピカリング: 試合なし → 準決勝へ

• - 準決勝

- ブランチ・ビングリー・ヒルヤード vs. ヘンリエッタ・ホーンキャッスル: 不戦勝
- アリス・シンプソン・ピカリング vs. ルース・ディアス: 6-4, 4-6, 6-1

• - 決勝

- ブランチ・ビングリー・ヒルヤード vs. アリス・シンプソン・ピカリング: 6-2, 7-5
- オールカマーズ決勝:
- ブランチ・ビングリー・ヒルヤード vs. シャーロット・クーパー: 5-7, 7-5, 6-2（ビングリー・ヒルヤードが優勝）

男子ダブルス

男子ダブルスでも激戦が繰り広げられました。

• - オールカマーズ決勝

- レジナルド・ドハティー＆ローレンス・ドハティー vs. ウィルフレッド・バデリー＆ハーバート・バデリー: 6-4, 4-6, 8-6, 6-4

この年のウィンブルドン選手権は、レジナルド・ドハティーとブランチ・ビングリー・ヒルヤードがそれぞれ男子、女子シングルスでのチャンピオンに輝くなど、記憶に残る大会となりました。

参考文献

• - Lance Tingay, “100 Years of Wimbledon” (1977)
• - Bud Collins, “Total Tennis: The Ultimate Tennis Encyclopedia”（2003）

大会の詳細については各資料を参照してください。

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