1907年全米選手権 (テニス)

1907年全米選手権について

1907年の全米選手権は、テニス界における重要な大会であり、男女シングルスともに激しい戦いが展開されました。この時期、全米選手権は異なる部門がそれぞれ特有の名称を持ち、開催場所も異なるテニスクラブで行われるのが特徴でした。この大会は1881年から1967年まで続き、この年もその伝統を受け継いでいました。

大会の構成

全米選手権は、男子シングルス（U.S. National Singles Championship）、男子ダブルス（U.S. National Doubles Championship）、女子シングルス（U.S. Women's National Singles Championship）、女子ダブルス（U.S. Women's National Doubles Championship）、混合ダブルス（U.S. Mixed Doubles Championship）の5つの部門で構成されていました。

男子シングルスの会場はロードアイランド州のニューポート・カジノで、男子ダブルスも同じくこちらで行われました。一方、女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスはペンシルベニア州のフィラデルフィア・クリケット・クラブで行われていました。女子部門は1887年から1920年まで、この会場で継続的に開催されていました。

この大会では、「チャレンジ・ラウンド」（挑戦者決定戦）と「オールカマーズ・ファイナル」（オールカマーズ決勝）という2段階の形で優勝者が決まります。男子シングルスでは1884年から、この方式が採用されており、女子シングルスでは1888年から同様の形式で行われるようになりました。

1907年の大会の重要なポイント

1907年の大会では、前年の男女シングルスの優勝者が不出場という異例の事態が発生しました。男子シングルスではウィリアム・クローシャー、女子シングルスではヘレン・ホーマンズが前年のチャンピオンでしたが、両者とも出場しませんでした。これにより「オールカマーズ・ファイナル」は開催されず、チャンピオンはそれぞれチャレンジ・ラウンドの結果によって決定されました。

男子シングルス

男子シングルスのチャレンジ・ラウンドでは、ウィリアム・ラーンドが圧倒的な強さを見せ、準決勝ではクラレンス・ホバートを6-2, 6-2, 6-1で下し、決勝に進出しました。決勝ではロバート・ルロイと対戦し、6-2, 6-2, 6-4で勝利。結果として、ウィリアム・ラーンドが1907年の男子シングルス優勝者となりました。

女子シングルス

女子シングルスのチャレンジ・ラウンドでも、イブリン・シアーズが圧倒的なパフォーマンスを発揮。準決勝ではキャリー・ニーリーを下し、決勝では再びキャリー・ニーリーと対戦しました。この試合ではイブリンが6-3, 6-2で勝ち、本大会の優勝者と決定しました。

他の部門の結果

男子ダブルスではフレッド・アレクサンダーとハロルド・ハケットが強力なコンビネーションを見せ、ウィリー・グラントとナット・ソーントン組に対して6-2, 6-1, 6-1で勝利しました。女子ダブルスではキャリー・ニーリーとマリー・ワイマーがエドナ・ワイルディーとナタリー・ワイルディーに対して6-1, 2-6, 6-4の接戦を制しました。また、混合ダブルスではウォレス・ジョンソンとメイ・セイヤーズのペアが勝利を収めました。

まとめ

1907年の全米選手権は、男女シングルスの優勝者が前年のチャンピオン不出場によりチャレンジ・ラウンドで決まるという特異な大会となりました。ウィリアム・ラーンドとイブリン・シアーズがそれぞれの部門で優勝者に輝き、競技の激しさとともにテニス界の新たな風を吹き込む大会となったのです。

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