1910年の音楽

1910年の音楽

1910年（明治43年）は、音楽史において重要な出来事が相次いだ年でした。クラシック音楽界では、後の音楽史を塗り替える作曲家たちの作品が初演され、新たな才能が誕生しています。この年の音楽界の動向を詳細に見ていきましょう。

出来事

3月19日：バルトーク・ベーラの弦楽四重奏曲第1番がブダペストで初演。バルトークの革新的な音楽性が早くも示された作品として注目されました。
6月25日：イーゴリ・ストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」がパリで初演。その斬新な音楽と舞台演出は、観客に大きな衝撃を与え、ストラヴィンスキーの名声を確立しました。
9月12日：グスタフ・マーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」がミュンヘンで初演。巨大な編成と壮大なスケールで、マーラーの交響曲の中でも特別な存在として知られています。
11月10日：エドワード・エルガーのヴァイオリン協奏曲がフリッツ・クライスラーの独奏により初演。クライスラーの卓越した演奏技術とエルガーの美しい旋律が融合し、聴衆を魅了しました。

クラシック音楽

アレクサンドル・スクリャービン - 交響曲第5番「プロメテウス」：神秘主義的な思想を反映したスクリャービンの代表作の一つ。色彩と音楽の融合を目指した「色彩オルガン」の使用も試みられました。

誕生

1910年は、後に音楽界を牽引する多くの才能が生まれた年でもあります。

1月2日 - 松谷穣（神奈川県、ジャズ・ピアニスト）：日本のジャズ黎明期を支えたピアニスト。
1月23日 - ジャンゴ・ラインハルト（、ジャズ・ミュージシャン）：ロマの血を引くギタリスト。独自の奏法を確立し、後世に多大な影響を与えました。
1月28日 - 井口愛子（東京都、ピアニスト）：繊細かつ力強い演奏で知られるピアニスト。
3月6日 - 矢野亮（茨城県、作詞家）：数々のヒット曲を手がけた作詞家。
5月23日 - アーティ・ショウ（、ジャズ・クラリネット奏者）：スウィング・ジャズの時代を代表するクラリネット奏者。
6月11日 - カーマイン・コッポラ（、作曲家）：映画音楽を中心に活躍した作曲家。
6月14日 - ルドルフ・ケンペ（、指揮者）：ドイツのオーケストラを中心に活躍した指揮者。
6月18日 - 高橋竹山（青森県、三味線奏者）：津軽三味線の名手として知られています。
7月7日 - 伊藤久男（福島県、歌手）：戦前・戦後にかけて活躍した国民的歌手。
8月30日 - 見砂直照（石川県、ジャズ・ミュージシャン）：日本のラテン音楽の草分け的存在。
9月10日 - 平井康三郎（高知県、作曲家）：日本の歌曲や合唱曲を数多く作曲。
10月27日 - 渡辺はま子（神奈川県、歌手）：戦中・戦後にかけて活躍した歌手。「愛国の花」などのヒット曲で知られています。
12月4日 - アレックス・ノース（、作曲家）：映画音楽の分野で活躍した作曲家。
12月24日 - 南里文雄（大阪府、ジャズ・トランペット奏者）：日本のジャズ界を代表するトランペット奏者。

死去

5月29日 - ミリイ・バラキレフ（、作曲家）：ロシア国民楽派の創始者の一人。リムスキー＝コルサコフらを育成しました。

1910年は、音楽史の流れを大きく変える出来事が相次ぎ、後世に多大な影響を与えた音楽家たちが誕生した重要な年として記憶されるでしょう。

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