1928年の音楽

1928年は、世界的に音楽シーンが大きく動いた年でした。ブルース、ポピュラー音楽、クラシック音楽など、様々なジャンルで重要な出来事が起こりました。

ブルースの台頭

1928年は、ブルース界において重要な年となりました。タンパ・レッドがレコーディング・キャリアを開始し、スクラッパー・ブラックウェルがヴォカリオン・レコードで最初のレコーディングを行いました。また、リロイ・カーは「How Long, How Long Blues」をリリースし、その後のキャリアを大きく飛躍させました。これらの出来事は、ブルースがより多くの人々に聴かれるようになり、音楽史における地位を確立していく上で重要な役割を果たしました。

ケイジャン音楽の最初の録音が行われたのもこの年であり、アメリカの多様な音楽文化が花開いた時代であったことが伺えます。

日本の音楽シーン

日本の音楽シーンもまた、大きな変化を遂げました。11月1日にはラジオ体操の放送が開始され、国民的な習慣として定着していきました。これは、音楽が人々の生活に深く浸透していく上で重要な出来事でした。

邦楽シングルの隆盛

この年、数多くの邦楽シングルがリリースされ、日本の音楽シーンを彩りました。佐藤千夜子の「波浮の港」は、日本初の商業レコードとして知られ、日本のポピュラー音楽の歴史において重要な作品です。その他にも、「当世銀座節」など、当時の流行を反映した楽曲が人気を博しました。

藤原義江は「出船の港」「鉾をおさめて」をリリースし、二村定一・天野喜久代は「あお空」「アラビヤの唄」、天野喜久代は「新銀座行進曲」、筑波久仁子は「道頓堀行進曲」を発表するなど、多様なジャンルの楽曲がリリースされました。

洋楽の動向

海外では、アル・ジョルスンの「サニー・ボーイ」がヒットしました。この曲は、当時のポピュラー音楽の代表的な作品として、多くの人々に愛されました。

音楽家の死

1928年には、多くの著名な音楽家がこの世を去りました。5月11日にはヴィオラ奏者・作曲家・指揮者のエミール・ボーンケ、8月12日には作曲家のレオシュ・ヤナーチェク、12月18日には音楽家のリュシアン・カペーが亡くなりました。彼らの音楽は、後世に大きな影響を与え続けています。

まとめ

1928年は、ブルースの台頭、ラジオ体操の開始、数多くのヒット曲の誕生など、音楽史において重要な出来事が数多く起こった年でした。これらの出来事は、音楽が人々の生活や文化に深く根ざしていく上で大きな役割を果たしました。また、多くの著名な音楽家が亡くなった年でもあり、音楽史における世代交代の時期でもありました。

もう一度検索