1933年のメジャーリーグベースボール

1933年はメジャーリーグベースボール（MLB）にとって、いくつかの重要な出来事がありました。この年は、4月12日に開幕し、10月7日に全日程を完了しました。ナショナルリーグではニューヨーク・ジャイアンツが約9年ぶりに13度目のリーグ優勝を果たし、アメリカンリーグではワシントン・セネタースが8年ぶりとなる3度目の優勝を達成しました。ワールドシリーズではジャイアンツがセネタースを4勝1敗で下し、4度目のシリーズ制覇を成し遂げました。加えて、この年から始まったオールスターゲームは初回にアメリカンリーグが勝利し、その後も毎年恒例のイベントとなりました。

監督たちの新たな歴史

当年の両リーグの優勝チームは、いずれも新任の監督が指揮を執っていました。アメリカンリーグのワシントン・セネタースは、選手兼任監督のジョー・クローニンがチームを率い、個人としても打率.309、打点118という素晴らしい成績を残しました。特にヘイニー・マナシュの221安打やリーグ最多三塁打17本、33試合連続安打の記録は印象的で、これによりセネタースは1924年・1925年に続く3度目の優勝に輝きました。

一方、ナショナルリーグのニューヨーク・ジャイアンツは、ビル・テリーが監督として陣頭指揮を執り、.322という打率を記録しました。彼の功績に加え、メル・オットやエースのカール・ハッベルの活躍もあり、ジャイアンツは13年ぶりとなるリーグ優勝を果たしました。

三冠王の誕生

1933年には、両リーグで異なる三冠王が誕生しました。アメリカンリーグではフィラデルフィア・アスレチックスのジミー・フォックスが打率.356、本塁打48本、打点163を記録し、ナショナルリーグではフィラデルフィア・フィリーズのチャック・クラインが打率.368、本塁打28本、打点120で三冠を達成しました。ジミー・フォックスは翌年も三冠王に輝き、その後も数年間にわたり活躍を続けました。反対に、チャック・クラインはこの年以降徐々に力を失い、1944年に引退しました。なお、ジミー・フォックスがアメリカンリーグのMVPに選ばれる一方、カール・ハッベルがナショナルリーグのMVPに輝きました。

記録と栄光

この年、ニューヨーク・ヤンキースのルー・ゲーリッグは8月17日に1308試合連続出場という記録を達成しました。これは当時のエベレット・スコットが保持していた記録を更新するもので、ゲーリッグの活躍は観客やファンを魅了しました。このシーズン、彼は打率.334、打点139、本塁打43本を記録しましたが、タイトルには届きませんでした。しかし、その翌年には三冠王に輝き、伝説の選手となります。

また、ビル・テリー監督は選手兼任としてジャイアンツに携わり続け、通算打率は.341に達しました。彼は1954年には殿堂入りを果たすなど、そのキャリアにおいても多くの栄誉を得ています。

オールスターゲームの開催

この年の7月6日、シカゴのコミスキーパークにて開催された第1回オールスターゲームは、観客47,595人を集めて大成功を収めました。この試合の発案者は、アーチ・ウォードが中心となったもので、観客動員数確保のためのプランの一環でした。結果としてアメリカンリーグが4−2で勝利しました。この成功を受けてオールスターゲームは毎年行われるイベントへと成長し、今日に至ります。最初こそは投票方式で選出された選手たちによって行われたこの試合は、メジャーリーグの夏の風物詩として定着しました。

ルール改訂と課題

1933年からデーゲームの審判制度が三人制に改訂されるなど、実施される規則も見直されました。

最終成績

レギュラーシーズンの結果、オールスターゲームではアメリカンリーグが4−2でナショナルリーグに勝利し、ワールドシリーズではニューヨーク・ジャイアンツが4−1でワシントン・セネタースに勝利して幕を閉じました。

この年はメジャーリーグにとって重要な年であり、記録更新や新たな試みが多く見られたことが、後の歴史へと繋がっていくこととなります。

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