1933年フランクリン・ルーズベルト大統領就任式

フランクリン・D・ルーズベルトの第一次就任式

フランクリン・D・ルーズベルトが第32代アメリカ合衆国大統領として初めて就任したのは、1933年3月4日であり、ワシントンD.C.のアメリカ合衆国議会議事堂のイーストポルティコで行われました。この日は、歴史に残る37回目の大統領就任式であり、ルーズベルトとともに副大統領に就任したジョン・ナンス・ガーナーの政権も始まる重要な瞬間でした。

就任式が行われた背景

この就任式の運営には、1933年の初めに憲法修正第20条が施行されたことが影響しています。この改正により、大統領の就任日は1月20日に変更されましたが、ルーズベルトの就任式が3月4日に実施されたのはこれが最後で、その結果、彼の1期目は通常より43日短いことになりました。また、副大統領の宣誓も上院議場で行われた最後のケースでした。

ルーズベルトの就任式は、1932年の大統領選挙で彼が共和党の現職であるハーバート・フーヴァーを破ったことが主な背景となっています。当時、世界は深刻な経済危機、すなわち世界恐慌に見舞われていました。ルーズベルトの就任演説は、多くの国民に希望を与える重要な瞬間として、多数のラジオ局を通じて全米に向けて放送されました。

就任演説

ルーズベルトの演説は、1883語に及ぶ20分ものスピーチであり、その冒頭で彼は「恐怖そのもの」というフレーズを使って、国民に対して希望を持って立ち向かうよう呼びかけました。「我々が恐れなければならない唯一のものは恐怖そのものだ」との力強い言葉で始まり、恐怖が国民の行動を阻害するさまを表現しました。続けて、彼は自らの経済危機に対する解決策について国民と議会の協力を求めました。

就任時の失業率は25%にも達しており、ルーズベルトはその問題に真摯に向き合い、銀行家や実業家の貪欲さが引き起こした経済の危機を指摘しました。外部との外交関係にも配慮しつつ、彼は自身の政策への支持を国民に求め、迅速かつ断固とした行動を約束しました。彼の演説の多くは、側近のレイモンド・モーリーによって構成されたもので、戦争の指揮を例にとるアイデアもモーリーの発案でした。

就任舞踏会と余波

就任式の後、ルーズベルトの妻エレノアはデザイナー・サリー・ミルグリムの水色のドレスを着用し、就任舞踏会に出席しました。このドレスは後にスミソニアン博物館に展示されるなど、歴史的なアイテムとなりました。

ルーズベルトは就任の翌日、臨時国会を開き、4日間の銀行休業を宣言。その後、3月9日には緊急銀行法に署名し、銀行の営業再開に向けた仕組みを整えました。このように、ルーズベルトは『ニューディール』と呼ばれる政策の最初の100日間にわたって、多くの改革を進めました。彼の初就任はアメリカの歴史において重要な一歩であり、国民の生活を一新するきっかけとなった瞬間でした。

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