1943年の日本競馬

1943年の日本競馬の振り返り

1943年は日本競馬においてさまざまな出来事が起こった年であり、その影響は今でも残っています。この年の競馬界は、戦局の厳しさとともに、重要な変革が続きました。各競馬場の運営、法令の改正、さらには戦時体制下での競馬のあり方についても大きな変化が見られました。

1月から3月の出来事

1月20日、日本競馬会は理事会を開催し、阪神競馬場の移転を決定しました。この移転により、新たな方針が示されることになります。続いて、1月30日には井野碩哉農相が「農林省令第4号」を公布し、競馬法施行規則などの改正が行われました。特に、開催執務委員の設置が従来の認可から「事前の届け出」へと変更されたことは、運営の効率化を図る一環でした。

また、馬政局長官からは種馬登録の業務が日本競馬会に委託されることが決定しました。これにより、馬政局の業務が簡素化されることが期待されました。2月には、日本競馬会が勝馬投票券の様式を縮小し用紙の節約を図るなど、戦時下の資源節約に向けた取り組みを実施しました。

3月には、海軍が横浜競馬場の土地および建物を軍用目的で譲渡するよう日本競馬会に申し入れ、最終的には譲渡が決定しました。これに伴い、春季横浜競馬の開催が東京競馬場に代替されることとなりました。

4月から6月の出来事

4月、阪神競馬場での開催が中止されたり、横浜農林省賞典四歳呼馬が延期されるなど、戦局の影響が色濃く反映されました。4月18日には阪神競馬場が最後の開催を行い、その後日本競馬会は競走馬の輸送制限など、軍需優先のための運営調整を行いました。

また、5月1日には入場税法の改正があり、各競馬場の入場料が見直されました。これにより、競馬場の収入基盤にも影響が及ぶ結果となりました。さらに、阪神競馬場の閉場式が行われ、久しい歴史に幕を下ろしました。

7月から12月の出来事

9月には阪神競馬が京都競馬場で代替開催され、10月には横浜競馬が中山競馬場で開催されましたが、戦局が続く中での運営は困難を極めました。特に、12月17日には東条英機内閣が競馬場の施設を軍事利用するために、競馬開催を一時停止する決定を下しました。これにより、競馬界は厳しい局面を迎えました。

競走成績と新たな競走馬の誕生

1943年には、数々の重要な競走が開催されました。特に、東京優駿競走（日本ダービー）ではクリフジが優勝し、名を馳せました。また、同年に生まれた競走馬たちは1946年のクラシック世代を代表する存在となる予感を漂わせていました。

この年に生まれた馬たちの中には、多くの競走馬が後に歴史に名を残すことになりますが、その背景には戦時中の混乱が密接に関わっていたのです。

総括

1943年の日本競馬は、戦争の影響により数々の変更や試練が訪れた年でした。競馬界も例外ではなく、重要なイベントが次々と発生する中で、新たな方向性が模索されていました。このような時期の競馬界は、戦局による影響を受けつつも、将来に向けた道を探し続ける姿勢が求められたのです。

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