1948年中華民国立法委員選挙

1948年中華民国立法委員選挙

1948年1月21日から23日にかけて、中華民国において第一回立法委員選挙が行われました。この選挙は、国会である立法院を構成する立法委員を選ぶものであり、中国国民党が主導する国民政府にとって重要な政治的イベントでした。当初は1947年10月に計画されていましたが、中国国内の中国国民党と中国共産党の内戦の影響で交通が麻痺し、実施が延期された結果、遂に翌年の実施となりました。

選挙には中国国民党、中国民主社会党、中国青年党が参加した一方で、中国共産党や中国民主同盟は選挙への参加を拒否しました。結果的に、約4億6100万人の当時の中華民国の人口に対し、759人の立法委員が選出され、約60万人につき1人の計算で立法委員が設定される形となりました。

この選挙で選ばれた立法委員たちは、1948年に南京で開催された初の国会に出席することとなり、中華民国政府への移行に関わりました。しかし、内戦の結果、中華民国政府は1949年12月に台湾へ移転する運命を迎え、その後の43年以上にわたって「万年国会」と称される状態が続くことになります。この間立法委員の改選は凍結され、政治的な正当性を保つための非合理的な状態が持続しました。

背景

中華民国の成立初期には、すでに全国的な国会が存在しており、当時は二院制が採用されていました。1912年から1913年にかけて実施された第1回国会議員選挙では、参議院と衆議院がそれぞれ選挙方法を異にし、参議院議員は各省議会による間接選挙で、衆議院議員は国民の直接選挙で選ばれました。このように国会が設置されるとともに、1948年に改めて新しい立法機関である立法院が設立され、その枠組みの中で立法委員選挙が行われることとなりました。ただし、立法院設立当初の立法委員は国民政府により任命される形だったため、民主的な選挙が全うされるのは1948年の選挙が初めてです。

選挙制度及び経過

1948年の選挙は憲法第64条に基づいており、各省・直轄市に割り当てられる議席数は人口に応じて定められました。その結果、約773人の立法委員が比例して選出されることが予定されており、各地域ごとの議席数の配分もあらかじめ設定されていました。立候補者は定められた数の有権者からの署名や政党からの推薦が必要とされました。

選挙の実施に際して、1947年5月には選挙管理機関が設定され、国民政府がその運営を担当することが決まりました。この選挙には中国共産党と中国民主同盟がボイコットし、中国国民党および他の政党のみの参加となりました。最終的には、2億近い有権者が選挙に参加し、759名の立法委員が選出されました。しかし、内戦の影響で、中国共産党の支配地域では選挙が行えず、補充条例が制定され近隣地域での選挙が実施されました。

その後の影響

この1948年の選挙は、中国の民主化の道を開く重要な一歩として位置づけられています。しかし、内戦とその後の中華民国政府の台湾への移転により、選挙によって選出された立法委員の改選は39年間行われず、国会の機能が著しく制限される結果となりました。1990年代に入ってから、ようやく民主化の流れが加速し、万年国会が解消されていくことになります。今後の選挙と政治改革は、この1948年の選挙が引き金となったことは間違いありません。

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