1956年の中日ドラゴンズ

1956年の中日ドラゴンズのシーズン回顧

1956年、中日ドラゴンズは野口明選手兼任監督の2年目のシーズンを迎えました。この年のドラゴンズは、前年からの選手の配置や調子が影響し、波乱の幕開けとなります。

チームの戦力状況

前年に入団した中利夫を1番打者に起用したドラゴンズでしたが、創立期の主力選手である西沢道夫や、1954年に初優勝を達成した児玉利一、杉山悟などが年齢からくる衰えを見せ始めました。加えて、中や岡嶋博治などの若手選手も経験不足が影響し、打撃面での粗さが目立ちました。このため、チーム全体の打線が活気を失い、リーグ最低の本塁打数52本という結果に終わりました。

一方で、投手陣は充実しており、杉下茂や伊奈努、中山俊丈などの選手が活躍しました。特に、大矢根博臣と中山が20勝をあげるなど、4投手が二桁勝利を達成しました。その結果、69完投というリーグ1位の記録を打ち立て、防御率2.03で2位という素晴らしい成績を収めました。この投手陣の活躍によって、チームは一時は首位の巨人との差を1.5ゲームまで縮める健闘を見せました。

シーズンの展開

しかし、シーズンが進むにつれて、6月に8勝12敗と負け越し、巨人とのゲーム差が広がっていきました。結局、DRAGONは最終的にAクラスには入ったものの、シーズンを3位で終え、優勝した巨人に10ゲーム差をつけられてしまいました。この成績を受けて、野口監督は辞任を余儀なくされます。

しかし、ドラゴンズには光る部分もありました。対大洋戦では前年の6月から続く26連勝を達成するなど、好調な期間もありました。9月初旬までの成績は15勝5敗と好調でしたが、その後、勝ち過ぎた影響からか5連敗に転じ、優勝争いから脱落してしまいました。

結論

この1956年のシーズンは、中日ドラゴンズにとって、選手たちが経験を積む契機となった反面、チーム全体の整合性がとれない苦しい試合が続いたシーズンでもありました。次のシーズンに向けて、選手たちがこれを教訓とし、さらなる成長を遂げることが期待されます。

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