1956年ベルギーグランプリ

1956年ベルギーグランプリ：スパ・フランコルシャンでの激戦

1956年のF1世界選手権第4戦、ベルギーグランプリは、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで1956年6月3日に開催されました。このレースは、天候に左右される難しいコンディションと、マシントラブル、そしてドライバーたちの激しい戦いが織りなす、ドラマチックな展開となりました。

予選では、ファン・マヌエル・ファンジオが圧倒的な速さでポールポジションを獲得。2位のスターリング・モスに5秒もの大差をつける圧巻の走りを見せました。しかし、金曜日のウェットコンディションと土曜日の強風により、タイム更新はならず、ファンジオのポールポジションが確定しました。

決勝レースは雨の中スタート。ファンジオはスタートで出遅れ、5位に後退。トップを走るモスを追う展開となりました。しかし、持ち前のドライビングテクニックで、ファンジオは3周目までに3台をオーバーテイクし2位に浮上。5周目にはモスをも抜き、トップに返り咲きます。その後、ファンジオは10周目にはモスとの間に8秒差をつけ、独走態勢を築いていました。3位にはファンジオのチームメイトであるピーター・コリンズがつけていました。

しかし、レースはここで予期せぬ展開を迎えます。トップを走るモスがオー・ルージュコーナーで後輪を脱落させてしまうアクシデントが発生。マシンをピットに戻したモスは、チェーザレ・ペルディーサのマシンに乗り換えてレースに復帰することとなりました。このアクシデントにより、コリンズが2位に浮上しました。一方、トップを走っていたファンジオは24周目にトランスミッショントラブルに見舞われリタイア。

これにより、コリンズがF1初優勝、そして初ラップリーダーという快挙を成し遂げました。2位争いは、ジャン・ベーラとポール・フレールが激しいバトルを展開。しかし、ベーラのエンジンのミスファイアにより、フレールが地元ベルギーで2位表彰台を獲得しました。3位争いは、モスが追い上げを見せ、ハリー・シェルを抜いて3位に入賞。激しい戦いを制した3台のマシンは、最後までトップ争いを繰り広げる接戦を見せてくれました。

このレースは、ファンジオ、モス、コリンズ、ベーラ、フレールといった、当時を代表する名ドライバーたちが織りなす、見応えのあるレースとなりました。天候、マシントラブル、そしてドライバーたちの卓越した技が絡み合った、まさにドラマチックな一戦だったと言えるでしょう。

エントリーリストと結果:

詳細なエントリーリストと予選・決勝の結果については、当時のレース記録を参照ください。（ここでは割愛）

注目ポイント:

34号車は、チェーザレ・ペルディーサとスターリング・モスが共有。モスのファステストラップと3位入賞により、2人にポイントが与えられました。
ピエロ・スコッティのF1デビュー戦、そしてポール・フレールのF1最終出走レースとなりました。
* ピーター・コリンズは初優勝と初ラップリーダー、ハリー・シェルは初ポイント獲得、ポール・フレールは初表彰台を獲得しました。

レース後のランキング:

ドライバーズチャンピオンシップの上位5名（ベスト5戦のみカウント）についても、当時のランキング表を参照ください。（ここでは割愛）

この1956年ベルギーグランプリは、F1の歴史において、天候やマシントラブルなど、様々な要因が絡み合った、記憶に残るレースとして語り継がれることでしょう。

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