1959年の中日ドラゴンズ

1959年 中日ドラゴンズのシーズンレビュー

1959年の中日ドラゴンズは、杉下茂選手が兼任監督として指揮を執る初年度となりました。このシーズンは、チームの再構築が大きなテーマとなり、往年の名選手が引退し、チーム自体が若返りを図りました。特に1958年シーズンの終了後に西沢道夫や服部受弘といったレジェンドが相次いで現役を退いたことは、ドラゴンズにとって大きな転機となりました。

新たに入団した江藤慎一、河村保彦、板東英二、水谷寿伸など、合計13名の選手がチームの一員として加わり、期待される中でシーズンがスタートしました。ただし、杉下茂自身は選手兼任監督とはいえ、実際には投球をすることはなく、若手選手中心のチーム編成に注力しました。この年、チームには吉沢岳男や前田益穂といった若手選手がスタメンとして起用されました。

シーズンの入りは順調で、特に4月には人気チームの巨人と4ゲーム差の2位に位置し、ファンを沸かせました。しかし、チーム内の経験不足が影響し、6月には4勝14敗という厳しい結果が続き、最下位の大洋と0.5ゲーム差の5位まで順位を下げてしまいました。この時期には、杉下監督がベテラン選手を切ったことに対する批判が高まり、ファンやメディアからの不満が広がりました。

しかし、夏場に入るとチームは徐々に持ち直し、特に8月と9月にはそれぞれ5連勝する快進撃を見せました。この結果、阪神や国鉄と激しい2位争いを展開することとなりました。最終的には、巨人に13ゲーム差をつけられながらも、阪神と同率の2位でシーズンを終えました。

投手陣に目を向けると、中山俊丈や伊奈努などがローテーションピッチャーとして重要な役割を果たし、チームの防御率は2.77という好成績を記録しました。また、打撃陣ではルーキーの江藤選手が勝負強いバッティングで注目を集め、チームのAクラス入りに大きく貢献しました。さらには、森徹や中利夫、岡嶋博治といった選手も際立った成績を残し、チーム全体で106本の本塁打を放ち、リーグで2位の記録を打ち立てました。岡嶋や中はともに走力でも光り、リーグ1位の131盗塁を達成しました。

シーズンのタイトル獲得では、森が本塁打と打点の二冠を獲得し、岡嶋は2年連続の盗塁王に輝くなど、チームの顔として成長を遂げた選手たちが何人もいました。これらの選手が中日ドラゴンズというチームを支え、未来への期待感を抱かせる要素となったのです。

このように、1959年の中日ドラゴンズは、新旧交代の過渡期にありながらも、若手選手の台頭と共に一定の成績を残すことができました。今後のシーズンに向け、「杉下体制」の下でどのようにチームが発展していくか、興味深いところです。

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