1959年の南海ホークス

1959年の南海ホークス

1959年、南海ホークスは特異なシーズンを迎えました。この年は、鶴岡一人監督にとって14年目のシーズンであり、4年ぶりにして7度目のリーグ優勝を果たした年です。

シーズンの始まり

過去3年間、優勝から遠ざかっていた南海ホークスですが、鶴岡監督はチームの改革を決意し、新しいユニフォームの導入を提案しました。これまでのシンプルなデザインに代わり、肩から袖にかけて太いラインが入った新ユニフォームが登場しました。さらに、帽子に施されていた「NHマーク」やビジター用の「NANKAI」ロゴも一新され、新たなイメージでシーズンに挑むこととなりました。

順調なスタートと中盤の苦闘

シーズンが始まると、南海ホークスは順調に勝ち星を重ねていきました。特に5月以降は、西鉄や大毎といった他球団を引き離し、7月初めには大毎に対して7ゲーム差を付けるなど強力な戦績を記録しました。優勝が秒読みと囁かれる中、8月に入るとチームは投打共に息切れし、大毎に首位を奪い返されてしまいました。しかし、8月後半に入ると大毎の主力選手たちにアクシデントが続き、このチャンスに杉浦忠や野村克也といった若手選手が奮起し、再び首位を奪回することに成功しました。

優勝と日本一

投手陣は杉浦の38勝を筆頭に、祓川正敏を含む4人が2桁勝利を挙げ、チーム全体の防御率はリーグ1位となる2.44を記録しました。打撃成績は、114本塁打の大毎に対し90本と劣っていましたが、打率はリーグで唯一の2割6分台に達しました。この年の日本シリーズは、巨人との対戦が実現し、南海ホークスは4連勝を収め、ついに初の日本一となりました。これは鶴岡監督にとって悲願であり、長年の宿敵・巨人を打倒する結果となりました。

日本シリーズ後の祝福

南海ホークスの優勝後、日本初のビールかけがチームのメンバーによって行われ、華やかな祝福が繰り広げられました。新ユニフォームを着ての初の日本一という成果は、1968年まで10年間にわたり使用され、強い南海の象徴として記憶されることになりました。

シーズンの記録とできごと

シーズン中の重要なできごととして、10月20日の大毎オリオンズ戦のダブルヘッダーがあります。この日、南海の杉山光平は打率1位を維持するために出場を見送りましたが、2位の山内和弘が二塁打を打ったことで、チームは慎重に杉山を敬遠する戦術を取ることになりました。この日が初の「首位打者争いでの敬遠」として語り継がれる出来事となりました。

1959年の南海ホークスは、数々のドラマと感動を生み出したシーズンであり、現在でも多くのファンの間で語り継がれています。

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