1961年の近鉄バファロー

1961年の近鉄バファローのシーズン動向

1961年の近鉄バファローは、千葉茂監督の3年目のシーズンでしたが、成績は厳しいものでした。この年は、チームが27勝103敗という結果に終わり、セ・リーグやパ・リーグを通じて唯一のシーズン100敗を記録しました。こうした低迷は、球団史に残る屈辱的な結果でもあり、後の改革のきっかけとなりました。

チームの予算と新戦力の状況

過去2年は多くの選手が巨人からの移籍で加わり、活性化を図っていましたが、この年の補強会議では、新人の徳久利明と、国鉄から戦力外となった元巨人の岩下守道の2名の獲得に留まりました。こうした限られた選手層でシーズンを迎えた近鉄は、試合が始まるとすぐに開幕4連敗を喫するなど、滑り出しからいきなり厳しい幕開けとなりました。

シーズンの経過とチーム内の問題

4月中旬には8連敗、5月中旬には6連敗を食らい、すぐさま最下位に転落してしまいます。その後も、6月から8月にかけては3度の大型連敗を経験し、チームはさらに窮地に陥りました。特にシーズン中に記録した197失策という数は、守備面での不安定さを顕著に示しています。ショートの矢ノ浦の47失策は、その象徴とも言えるでしょう。

攻撃面においては、小玉明利や関根潤三、入団2年目のブルームなど、一定の活躍を見せた選手もいましたが、全体の打率や本塁打数はリーグ5位にとどまり、盗塁数は38個とリーグ最下位でした。これが野手陣の全体的な低調さを示しており、結果としてチーム成績もかろうじて五位以下という状況が続きました。

投手陣の状況と成績

一方で、投手陣は徳久がファーボールを挙げ新人王に輝く活躍を見せるものの、リーグワーストの24敗を記録しました。他の投手陣は二桁勝利を挙げることができず、チーム全体の防御率も4点台と芳しくないものでした。これでは勝ち星が伸びる筈もなく、結局10月4日に100敗を達成、シーズン最終成績は103敗となり、プロ野球史上ワースト記録となりました。

競争相手との差と監督の交代

その結果、優勝した南海と51.5ゲーム差、5位の阪急とも18ゲーム差という大差がついてしまい、4年連続での最下位という屈辱を味わった近鉄でした。シーズンが終了後、千葉監督は更迭され、別当薫が新監督として迎えられることとなります。また、この年には後に近鉄の主力打者となる土井正博が入団しましたが、一軍出場を果たすことはありませんでした。

対戦成績とイベント

対戦成績も厳しく、特に優勝した南海には同一カードで14連敗を記録し、5勝23敗という結果で、一方で2位の東映にも9勝19敗と苦しみました。これらの結果は、他チームの優勝争いを助ける形になってしまいました。

出来事

シーズン中の注目すべき出来事として、6月3日の阪急戦ではブルームが「ヤンキーゴーホーム」との野次に反応し、観客に暴力行為を働いて退場処分となりました。その結果、7日間の出場停止と制裁金5万円の処分を受けることとなりました。こうした選手の問題行動もチームの士気に影響を及ぼしました。このように、1961年の近鉄バファローは、成績だけではなく様々な面で試練の年となったことがうかがえます。

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