別当薫

別当 薫: プロ野球界のレジェンド

概要

別当 薫（べっとう かおる、1920年8月23日 - 1999年4月16日）は、兵庫県西宮市出身のプロ野球選手、コーチ、監督、解説者です。彼は主に外野手として活躍し、走ることができる長距離打者として知られています。1948年から1953年の間に6年連続でベストナインに選出されるなど、輝かしい成績を残しました。

選手経歴

別当は1937年と1938年に甲陽中学校で甲子園出場経験があり、次に慶應義塾大学へ進みました。東京六大学リーグでは素晴らしい成績を収め、1942年の春季には首位打者に輝きました。戦後も活躍が続き、1948年には阪神タイガースに入団。彼は藤村富美男と共に「ダイナマイト打線」の中核として活躍し、1949年には39本塁打、126打点を記録しました。

その後、1950年にパ・リーグの毎日オリオンズへ移籍し、そこで彼の全盛期が始まります。彼はこの年、平均打率.335、43本塁打、105打点という驚異的な成績を残し、二冠王に輝きました。この時、別当は日本プロ野球初のトリプルスリー（3割・30本・30盗塁）を達成するなど、他の選手に多大な影響を与えました。

監督としてのキャリア

別当は選手としてだけでなく、監督としても優れたキャリアを持っています。1952年から1954年には選手兼監督を務め、その後は近鉄バファローズ、大洋ホエールズ、広島東洋カープなどで20年以上にわたり監督を務めました。彼の指揮のもと、多くの若手選手が成長し、1237勝を挙げる監督としての記録も残しています。

近鉄監督時代には若手選手の育成が特に注目を浴び、安定した成績を残していましたが、優勝には恵まれませんでした。大洋監督時代には、平松政次を中心とした投手陣を擁して、Aクラス争いを繰り広げ、数度にわたって25勝を挙げる選手を育てました。

人物と影響

別当は「球界の紳士」とも称され、知的な印象を持ちながらも、選手時代はアグレッシブなプレーで知られていました。結婚相手は「ミス神戸」として知られる美しい人物で、彼女は「美しい器で食べれば、食欲増進にもつながる」と語るなど、独特の感性を持つ人物でした。

野球界から引退後も彼の存在は色褪せることなく、解説者として活躍し、1988年には野球殿堂入りを果たしました。晩年には清原和博の打撃コーチを務めるなど、後進の指導にも力を入れました。

最後に

1999年4月16日に心不全で亡くなった別当薫は、享年78歳でした。彼の偉業と影響は、多くのプロ野球選手に受け継がれており、今なお野球界にその名を刻んでいます。彼の功績は、単なる選手としての枠を越え、指導者として多くの選手を育てたことでも評価されています。彼の生涯は、野球界の無限の魅力を象徴しています。

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