1962年の大洋ホエールズ

1962年の大洋ホエールズのシーズン

1962年の大洋ホエールズは、監督の三原脩にとって3年目のシーズンとなり、前年の最下位からの巻き返しを図る重要な年でした。チームは「メガトン打線」と名付けられた強力な打撃陣を形成し、これがシーズンの大きな特徴となりました。打線のキープレイヤーとして、4番には桑田武、5番には中日から移籍した森徹が起用され、開幕から勢いを持った打撃を展開していきました。

新たに加入した稲川誠は開幕からローテーションに入り、秋山登や島田源太郎と共に盤石な先発陣を築きました。さらに、松原誠やフランシス・アグウィリーといった選手も加入し、チームの戦力が一新されました。このような強力なメンバーを揃えた大洋ホエールズは、ペナント奪回を目指し、開幕から順調な滑り出しを見せました。

シーズンの前半は好調で、チームは7月まで首位を堅持。特に攻撃力が光り、リーグでは3位の100本塁打を記録しました。しかし、8月に入ると打線に陰りが見え始め、阪神タイガースに首位を奪われてしまうことになります。この期間中、大洋は阪神とのマッチレースを展開し、時にはスタメンに偵察オーダーを使用するなどの奇襲を仕掛けましたが、思うような結果は得られませんでした。

具体的には、9月22日には中日戦での「ルールの隙をついた」とされる戦法により、7人の偵察メンバーを起用し、試合を3対2で勝利しました。また、9月25日には秋山登が阪神戦で2日連続で完封勝利を挙げるという素晴らしいパフォーマンスを見せましたが、これ以外の対戦ではなかなか勝利を収めることができず、最後には阪神の優勝を許してしまい、結果的に2位となりました。

投手陣に目を向けると、秋山は26勝を挙げ、新人の稲川も12勝を上げるなど、先発陣が頑張ったことで、チームの防御率は2.73と好成績を収めました。しかし、守備においては粗さが目立ち、リーグ最多の110失策を記録してしまったことが響き、優勝争いからは遠ざかる結果となりました。

1962年の大洋ホエールズは、改編されたチームと新たに加入した選手たちの活躍で、記憶に残るシーズンを送りました。様々な戦略や選手の個々の活躍が光る一方で、改善すべき点も明らかになり、未来に向けた課題を残した年でもありました。

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