1962年の毎日大映オリオンズ

1962年の毎日大映オリオンズのシーズン振り返り

1962年は毎日大映オリオンズにとって特別な年でした。この年は、宇野光雄が監督に就任してからの2年目となります。オリオンズは新しいスタートを切るための準備を整え、球団の未来を見据えた取り組みが進められました。

新球場の竣工

何よりも注目されたのが、前年から工事が進められていた新球場の完成です。1962年5月31日に「東京スタジアム」と名付けられたこの球場が正式に竣工しました。オーナーの永田雅一はこの新球場に大きな期待を寄せ、「これでリーグ優勝どころか日本一」と気勢を上げていました。新球場はチームの新たな拠点となり、ファンにとっても待望の場所でした。

チーム状況

その一方で、チームのパフォーマンスには課題が残りました。強力な打撃陣として知られる「ミサイル打線」は、葛城隆雄、山内一弘、田宮謙次郎という頼もしい面々が活躍し、得点を重ねていきました。しかし、投手陣はエースの小野正一を中心に、頼れる投手の数が不足していました。その結果、チームは苦戦を強いられ、最終的にはリーグ4位という成績に終わっています。この状況が、翌年オフに起こる「世紀のトレード」、すなわち山内と阪神タイガースの小山正明との交換に繋がるきっかけとなりました。

レギュラーシーズンの成績

1962年のレギュラーシーズンでは、オリオンズは選手たちの懸命な明るい活躍があったものの、他球団との競争に打ち勝つことはできませんでした。特に、強力なバッティングに支えられた得点力は注目される一方で、投手陣の厚み不足が目立つシーズンとなったのです。

オールスターゲーム1962

6月21日には新球場での「開場式」が行われ、これにはパ・リーグの6球団が参加しました。17時からはオーナーの永田雅一の挨拶があり、19時から記念すべき初試合が行われました。この初試合は「大毎×南海ホークス」の対戦で、なんと初本塁打は南海の野村克也捕手が打ったものという意外な結果でした。新しい舞台での初試合はファンにとって感慨深いものとなりました。

表彰選手

シーズンを通じて数名の選手がその活躍を称えられ、各種表彰を受け取りました。これらの選手たちは次世代へと続く毎日大映オリオンズの礎を築いていくことになります。彼らの活躍はチームにとって大きなポイントになり、ファンの記憶に長く残ることでしょう。

このように1962年の毎日大映オリオンズは新球場の開場という新たなスタートを切りつつも、競技成績には課題を残したシーズンでした。しかし、その影響が未来のチーム構成や選手の移籍にまで影響を及ぼし、次のシーズンに向けた試練の年となったことは記憶に残る出来事でしょう。

もう一度検索