葛城隆雄

葛城隆雄：ミサイル打線の5番打者

葛城隆雄（かつらぎたかお）は、1936年12月21日生まれの大分県大分市出身のプロ野球選手である。1955年に毎日オリオンズに入団し、1970年に現役を引退するまで、内野手、外野手を中心に活躍した。

高校時代

大分上野丘高校時代には、甲子園出場は果たせなかったものの、高い打撃センスを示し、プロへの道を歩む。同級生には後にプロ野球選手となる太田文高がいた。

プロ野球での活躍

1955年、高卒新人ながら毎日オリオンズに入団。1956年には遊撃手のレギュラーを獲得し、規定打席に到達。その後、三塁手としても活躍。

特に1958年、1959年には2年連続で打点王のタイトルを獲得。1958年は最終打席で本塁打を放ち、劇的に打点王を決めた。1959年もリーグ3位の打率.310、95打点と活躍し、2年連続での打点王獲得となった。この2年間は最多安打も記録したものの、当時はまだ連盟表彰がなかった。

1960年にはリーグ優勝に貢献し、日本シリーズにも出場。1957年にはサイクル安打を達成、20歳8ヶ月での記録は当時最年少であったが、サイクル安打の公式記録が1965年からであるためあまり知られていない。

葛城は、2番打者田宮謙次郎、3番榎本喜八、4番山内一弘と共に、強力打線「ミサイル打線」の中核を担った。彼らと違い、初球から積極的に打ちにいく積極的な打撃スタイルが特徴だった。

守備面では、1956年から1958年まで3年連続で失策王となるなど課題を残したが、勝負強さと積極的な打撃でチームに貢献。特に、西鉄のエース稲尾和久に対しては滅法強く、当時西鉄監督の三原脩は稲尾を一時的にマウンドから下げるという対策をとるほどであった。

1964年には、中日ドラゴンズに移籍。右翼手として活躍し、江藤慎一、ジム・マーシャルらと共にクリーンアップを形成。1966年には江藤の故障に伴い、29試合で四番打者を務めた。1968年までレギュラーとして活躍したが、1969年以降は出場機会が減少。

1970年には阪神タイガースに移籍し、代打として起用されるも、同年5月、黒い霧事件に関連して逮捕された。その後、出場停止処分を受け、シーズン終了後に自由契約となり現役を引退した。

引退後

引退後は、毎日オリオンズ時代の先輩である田宮謙次郎が経営する自動車修理会社に勤務。2013年7月27日、76歳で死去した。

記録と受賞歴

打点王：2回（1958年、1959年）
最多安打：2回（1958年、1959年、当時連盟表彰なし）
ベストナイン：2回（1958年、1959年）
1000試合出場
サイクル安打：1回（1957年）
オールスターゲーム出場：5回

葛城隆雄は、ミサイル打線の一員として活躍し、数々の記録を残した選手として、プロ野球史に名を残す。彼の積極的な打撃スタイルと、黒い霧事件に翻弄された人生は、多くのファンに記憶されている。

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