1963年の近鉄バファローズ

1963年の近鉄バファローズ：別当薫監督の2年目のシーズン

1963年の近鉄バファローズは、別当薫監督にとっての2年目のシーズンとなりました。この年はチームの躍進が期待されましたが、序盤のパフォーマンスが思わしくなく、4月には最下位の南海から7ゲーム差をつけられ、開幕ダッシュに失敗してしまいます。その結果、チームは最後まで厳しい戦いを強いられました。

シーズンの動向

5月以降、チームは持ち直しを図ります。ジャック・ブルームフィールド（愛称：ブルーム）、関根潤三、小玉明利、土井正博などの打撃陣の活躍により、次第に順位を上げ、ついには3位に浮上しました。前年に優勝を果たした東映とのAクラス争いは激しく、終盤まで続きました。9年ぶりのAクラス入りを目指したものの、残りの5試合で南海と西鉄に全敗し、最終的には4位に転落してしまいました。しかし、貯金を1つ残しシーズンを終えたことは、次年度への期待を持たせる結果となりました。

投手陣の成績

投手陣については、前年最多勝を記録した久保征弘が19勝、防御率1位の2.36を達成。しかし、20勝は逃してしまいました。徳久利明がチーム最多の20勝を記録し、2年目の山本重政も9勝17敗と負け越しながらチームの防御率向上に貢献しました。彼は168奪三振を記録し、チームの勝ち星の約4割を稼ぎました。にもかかわらず、救援投手陣の不安定さが影響し、チーム防御率はリーグ5位でした。

打撃陣の活躍

一方、打撃陣は非常に好調でした。ブルームは首位打者に輝き、4番の土井はリーグ最多の二塁打を記録しました。5番の山本八郎も自己最多の22本塁打を記録し、チーム全体での打率はリーグ1位を達成しました。特に、土井、ブルーム、小玉の3人はそれぞれ30本以上の二塁打を放ち、山本、関根、矢ノ浦も20本以上を記録するなど、中距離打線の威力を発揮しました。この打線は「ピストル打線」と称され、ファンからも支持を得ました。最終的に本塁打数は98本でリーグ5位でしたが、打撃力の向上がチームの成績に寄与したと言えるでしょう。

結論

このように、1963年の近鉄バファローズは、別当薫監督の下で厳しい戦いを経験しましたが、投打の成長が見られ、シーズンを通じてのパフォーマンスには希望の光が差し込んでいました。Aクラス復帰は次年度への課題となったものの、期待感を残すシーズンでした。

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