1964年の国鉄スワローズ

1964年の国鉄スワローズ

1964年の国鉄スワローズは、林義一監督が就任した初めてのシーズンであり、様々な出来事と選手の活躍があった年でした。この年、チームは後楽園球場から明治神宮野球場へ本拠地を変更し、新たなスタートを切りました。

監督とチームの変遷

前年のオフ、野球評論家の中沢不二雄が林義一をコーチとして推挙したことが、林監督就任のきっかけとなりました。水野成夫社長がこの提案を受け入れ、林はチームの指揮を執ることになりました。林監督の下でのスワローズは、期待の中でシーズンを迎えたものの、監督と選手の関係には波風が立つことが多く、特に金田正一との対立が顕著でした。

金田正一の活躍

このシーズン、金田正一は序盤から素晴らしいピッチングを見せており、7月16日にはプロ野球史上初の4000奪三振を達成しました。また、同月30日には完封勝利を収め、14年連続の20勝を達成するなど、圧倒的な存在感を放ちました。この年、金田は最終的に27勝を挙げ、再びリーグを震撼させることでしょう。しかし、その後、監督との対立から8月以降は登板を拒否することが増え、チーム内の雰囲気は悪化しました。

チーム成績と選手たちの活躍

全体的に、投手陣は防御率3.44という数字を残し、打撃陣では豊田泰光が117本塁打を放ちました。スワローズの打撃力はリーグ3位となり、また盗塁数も100を超えリーグ4位に食い込みました。公然となった林監督の解任報道があった際、社長の水野は監督の留任を主張しましたが、金田の移籍が現実のものとなり、スワローズの状況は厳しさを増しました。

できごと

1964年のシーズン中の重要な出来事の一つは、4月に根来広光がセ・リーグタイ記録となる8打席連続安打を記録したことです。この活躍はチームにとっても大きな励みとなりました。

金田正一の存在感が際立った年ではありましたが、チーム全体としては最後の順位が5位にとどまり、期待に応えられない形となりました。この結果により、チームの身売り問題が現実味を帯びることになったのです。

まとめ

シーズンを通じて、国鉄スワローズは林監督の下でいくつかの記録とエピソードを残しましたが、選手たちの潜在能力を最大限に引き出すことはできませんでした。その結果、金田の移籍が発端となり、国鉄スワローズはさらなる変革を強いられることになるのです。

もう一度検索