1964年の日本シリーズ

1964年の日本シリーズ

1964年の日本シリーズは、阪神タイガースと南海ホークスというセ・リーグとパ・リーグの優勝チームによる対決で、1962年以来2年ぶりに両チームが日本選手権の舞台に上がりました。シリーズは1964年の10月1日から10月10日まで行われ、全日程が東京オリンピックの開会式に影響される形で進行しました。

この年のシリーズは特に注目され、阪神の藤本定義監督と南海の鶴岡一人監督が指揮を執る中、関西地区の人気チーム同士の初対決となったため、「関西シリーズ」と名付けられました。両チームにとって、タイトル争いにおける重要な戦いであったため、多くのファンが期待を寄せました。

日程と条件

日本シリーズの日程は例年よりも前倒しされ、阪神が9月30日にリーグ優勝を決定したことから日本シリーズは当初の予定よりも2日遅れ、10月1日に開幕しました。この影響により、阪神はリーグ優勝を果たした翌日に日本シリーズに臨むという非常にタイトな日程となりました。

シリーズの進行

シリーズの初戦は南海がエースのジョー・スタンカで阪神に挑み、スタンカは阪神打線を3安打に抑え完封勝利を収めます。第2戦では阪神がリズムを取り戻し、ジーン・バッキーの完投で1勝1敗のタイに持ち込みました。第3戦以降は両チームが一進一退の攻防を繰り広げ、南海が第4戦をケント・ハドリのサヨナラ本塁打で勝利しリードを奪ったものの、阪神も第5戦を制し、互いに譲らぬ激闘が続きました。

第6戦は南海が再びスタンカを先発させ、安定した投球で阪神を4-0で下し、シリーズを均衡に戻しました。運命の第7戦では、阪神が村山実を先発させる中、スタンカが再度登板し、連続完封なるか注目されました。結果、南海が前半からリードを保ち、シリーズ勝利を収めました。

結果と評価

シリーズ結果は南海が阪神を4勝3敗で下し、1959年以来の日本一となりました。スタンカはこのシリーズで4試合に登板し、3勝を挙げ、最優秀選手（MVP）賞を受賞しました。また、両球団の商品自体も強い外国人選手の影響を受けており、「外国人シリーズ」としても語り継がれることとなりました。

観客動員と放送

この年の日本シリーズは全試合ナイターでの開催が初めて行われ、観客動員も注目を集めました。南海の本拠地、大阪球場での試合は好調を保ったものの、阪神甲子園球場での試合では入場者数はやや減少しました。また、テレビやラジオの中継も多く行われ、関西地区を中心に多くのファンが試合を観戦しました。

42年後の2023年に阪神タイガースとオリックス・バファローズが対戦するまで、近畿地区の球団によるシリーズ対決は実現しませんでした。このシリーズは日本のプロ野球史の中で非常に重要な位置を占め続けています。

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