1964年マラウイ総選挙

1964年マラウイ総選挙は、マラウイがイギリス保護領ニヤサランドからイギリス自治領マラウイとして独立する直前に行われた歴史的な選挙です。この選挙は、独立後のマラウイの政治体制を大きく左右する結果となりました。

選挙に至るまでの経緯

1961年のニヤサランド立法議会選挙で、ヘイスティングズ・カムズ・バンダ率いるマラウイ会議党が圧勝しました。翌1962年には自治権を獲得し、1963年にはバンダが首相に就任。同年には、ローデシア・ニヤサランド連邦からの分離を達成しました。これらの出来事は、マラウイの独立に向けた重要なステップとなりました。

1964年総選挙の結果

1964年の総選挙では、すべての立候補者がマラウイ会議党の候補者であったため、同党は国民議会の全議席を無投票で獲得しました。この結果、マラウイは建国当初から単独政党による政治が行われることとなりました。選挙自体は形式的なものでしたが、独立後の政治体制を決定づける重要な意味を持っていました。

独立後のマラウイ

1966年、マラウイはイギリス自治領からマラウイ共和国として完全な独立を遂げ、バンダが大統領に就任しました。バンダは憲法でマラウイ会議党以外の政党を禁止し、一党制を確立。以後、1994年の多党制選挙でバキリ・ムルジ率いる統一民主戦線が勝利するまで、バンダによる長期独裁が続くこととなりました。

1964年の総選挙は、マラウイの独立という大きな転換点において、その後の政治体制を決定づける重要な出来事でした。マラウイ会議党の一党支配体制は、その後のマラウイの政治、経済、社会に大きな影響を与え、多党制民主主義への移行は、1994年まで待たなければなりませんでした。

もう一度検索